腰椎変性すべり症に対するGraf制動術の成績からみた腰痛

本研究の目的は,除圧術にGraf制動術を併用しX線学的な不安定性を安定化させることが,Graf制動術を併用しないで除圧術のみを行った群と比較して,術前から存在する腰痛が明らかに改善するか否かを明らかにすることである.対象は,すべり椎間の除圧術にGraf制動術を併用した手術を受け3年以上経過した46例である(Graf群).すべり椎間の除圧術のみを行った42例を対照とした(対照群).除圧術にGraf制動術を併用することにより,①術後腰痛残存例の頻度を減少させる,②すべり率の進行を抑制できる,③椎間可動域を減少させる,④術後合併症発生の可能性がある,⑤腰痛の程度,下肢症状の程度や再燃の頻度,JOAス...

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Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 10; no. 1; pp. 56 - 59
Main Authors 紺野, 慎一, 矢吹, 省司, 菊地, 臣一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 2004
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ISSN1345-9074
1882-1863
DOI10.3753/yotsu.10.56

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Summary:本研究の目的は,除圧術にGraf制動術を併用しX線学的な不安定性を安定化させることが,Graf制動術を併用しないで除圧術のみを行った群と比較して,術前から存在する腰痛が明らかに改善するか否かを明らかにすることである.対象は,すべり椎間の除圧術にGraf制動術を併用した手術を受け3年以上経過した46例である(Graf群).すべり椎間の除圧術のみを行った42例を対照とした(対照群).除圧術にGraf制動術を併用することにより,①術後腰痛残存例の頻度を減少させる,②すべり率の進行を抑制できる,③椎間可動域を減少させる,④術後合併症発生の可能性がある,⑤腰痛の程度,下肢症状の程度や再燃の頻度,JOAスコアに関しては明らかに有効とはいえない,ことが判明した.
ISSN:1345-9074
1882-1863
DOI:10.3753/yotsu.10.56