腰痛の社会的背景と精神医学的問題
I.腰痛の社会的背景1) 腰痛の社会的背景としては, 文化, 家族と社会の支援, 社会階級(地位), 教育, 仕事の満足度と社会心理的側面, 雇用管理と労働関係, 失業, 早期引退, 労災補償, 訴訟などがあげられる. 1.文化 文化とは知識, 信仰, 芸術, 道徳, 法律, 習慣, など生活様式に影響するすべての因子が含まれる. 文化は腰痛に対する考え方, とらえ方, そして表現の仕方に影響している. 治療に対する反応性も文化により影響を受けるが, どの因子が最も重要なのかは不明である. 2.家族と社会の支援 家族とは, 家族の人数, 離婚, 子供の死亡, など家族構成に関与するすべての因子...
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Published in | 日本腰痛学会雑誌 Vol. 10; no. 1; pp. 19 - 22 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腰痛学会
2004
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Subjects | |
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ISSN | 1345-9074 1882-1863 |
DOI | 10.3753/yotsu.10.19 |
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Summary: | I.腰痛の社会的背景1) 腰痛の社会的背景としては, 文化, 家族と社会の支援, 社会階級(地位), 教育, 仕事の満足度と社会心理的側面, 雇用管理と労働関係, 失業, 早期引退, 労災補償, 訴訟などがあげられる. 1.文化 文化とは知識, 信仰, 芸術, 道徳, 法律, 習慣, など生活様式に影響するすべての因子が含まれる. 文化は腰痛に対する考え方, とらえ方, そして表現の仕方に影響している. 治療に対する反応性も文化により影響を受けるが, どの因子が最も重要なのかは不明である. 2.家族と社会の支援 家族とは, 家族の人数, 離婚, 子供の死亡, など家族構成に関与するすべての因子が含まれる. 家族や社会の支援のある方が治療効果は高い. しかし, どの因子が治療効果に影響するのかは不明である. また, どのように家族は支援していくべきかも不明である. 3.社会階級 社会階級に関しては, 腰痛は技術を持たない重労働者の失業者に多いことが判明している. この傾向は, 男性に顕著であり, 女性では差がない. しかし, 重労働に関連するどの因子が最も重要なのかは不明である. |
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ISSN: | 1345-9074 1882-1863 |
DOI: | 10.3753/yotsu.10.19 |