ケア提供者に対する施設入所高齢者の隠された主張 もっとできる自分を知ってほしい

本研究は,ケア提供者に対する施設入所高齢者の隠された主張を見出し,施設入所高齢者が隠された主張をもつことにより自らの老いをどのように意識するのかを明らかにした。施設入所高齢者11名に半構成的面接を行い,ケア提供者に対する主張や自らの老いについていだく意識内容を抽出しカテゴリー化した。その結果,『自分の健康は自分で守りたい』『このままではもっと悪くなる』『自分の力を信じてほしい』で構成される【もっとできる自分を知ってほしい】が見出された。隠された主張をもつ施設入所高齢者のなかには,自らの老いを負に意識づけるようになる人もいた。そこでケア提供者は,施設入所高齢者のQOLを向上させ自己実現を目指すた...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 30; no. 4; pp. 4_45 - 4_52
Main Author 沖中, 由美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.09.2007
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20070515004

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Summary:本研究は,ケア提供者に対する施設入所高齢者の隠された主張を見出し,施設入所高齢者が隠された主張をもつことにより自らの老いをどのように意識するのかを明らかにした。施設入所高齢者11名に半構成的面接を行い,ケア提供者に対する主張や自らの老いについていだく意識内容を抽出しカテゴリー化した。その結果,『自分の健康は自分で守りたい』『このままではもっと悪くなる』『自分の力を信じてほしい』で構成される【もっとできる自分を知ってほしい】が見出された。隠された主張をもつ施設入所高齢者のなかには,自らの老いを負に意識づけるようになる人もいた。そこでケア提供者は,施設入所高齢者のQOLを向上させ自己実現を目指すため,言語化できない主張を引き出すことが求められる。ケア提供者は,施設入所高齢者との関係性を構築しながら,施設入所高齢者の健康状態を継続的に査定し,ケアの方向性を相互に確認していく必要性が示された。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20070515004