栄養表示の活用と学習ニーズ D町の公開講座参加者および幼稚園児保護者の特徴

本研究の目的は,「食生活と健康を考える」展の公開講座参加者と,幼稚園児の保護者を対象に,1.栄養表示に対する関心および活用の実態と問題点を明らかにし,2.栄養表示についての学習ニーズとして知りたい情報や学習の方法について把握することである。方法は自記式質問紙を用い,回収率は66.8%であった。結果は,対象者の9割が栄養表示を活用していた。表示を参考にする食品は,公開講座参加者が加工食品・レトルト食品,園児保護者では市販菓子,飲料の順である。栄養成分は,公開講座参加者はエネルギー,塩分,脂質の順であり,園児保護者はエネルギー,カルシウム,糖質の順に多い。この違いは,抱える健康問題によると考えられ...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 27; no. 5; pp. 5_31 - 5_37
Main Authors 遠藤, 和子, 谷口, 千絵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.12.2004
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20040520003

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Summary:本研究の目的は,「食生活と健康を考える」展の公開講座参加者と,幼稚園児の保護者を対象に,1.栄養表示に対する関心および活用の実態と問題点を明らかにし,2.栄養表示についての学習ニーズとして知りたい情報や学習の方法について把握することである。方法は自記式質問紙を用い,回収率は66.8%であった。結果は,対象者の9割が栄養表示を活用していた。表示を参考にする食品は,公開講座参加者が加工食品・レトルト食品,園児保護者では市販菓子,飲料の順である。栄養成分は,公開講座参加者はエネルギー,塩分,脂質の順であり,園児保護者はエネルギー,カルシウム,糖質の順に多い。この違いは,抱える健康問題によると考えられた。栄養表示が活かせない理由は,ライフサイクルに応じた所要量と健康問題に関する栄養成分の知識不足,買い物時の環境要因にあった。このため継続した学習へのニーズがあり,保健・医療職など専門家の介入が重要であると考えられた。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20040520003