第4腰椎変性すべり症に対する固定・非固定からみた成績の考察
Ⅰ度L4変性すべり症(L4/5狭窄)に対し,1997~1999年に行った椎弓切除+instrumentationを併用したPLF(A)19例と,2000年以降に行った除圧術(L4棘突起をL字に切離して尾側へ翻転し,椎間関節は可及的に温存した拡大開窓後,棘突起は復元)単独(B)17例の2年後成績を比較した.両群の背景因子(年齢,性別,JOA score,すべり率,椎間可動角など)に統計学的有意差はなかった.JOA scoreは両群とも有意に改善したが,A群の方が成績は劣っており,合併症(感染,椎弓根screw逸脱,隣接椎間狭窄が各1例)が原因であった.術前のB群における画像上の背景因子から,すべ...
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Published in | 日本腰痛学会雑誌 Vol. 10; no. 1; pp. 60 - 68 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腰痛学会
2004
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-9074 1882-1863 |
DOI | 10.3753/yotsu.10.60 |
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Summary: | Ⅰ度L4変性すべり症(L4/5狭窄)に対し,1997~1999年に行った椎弓切除+instrumentationを併用したPLF(A)19例と,2000年以降に行った除圧術(L4棘突起をL字に切離して尾側へ翻転し,椎間関節は可及的に温存した拡大開窓後,棘突起は復元)単独(B)17例の2年後成績を比較した.両群の背景因子(年齢,性別,JOA score,すべり率,椎間可動角など)に統計学的有意差はなかった.JOA scoreは両群とも有意に改善したが,A群の方が成績は劣っており,合併症(感染,椎弓根screw逸脱,隣接椎間狭窄が各1例)が原因であった.術前のB群における画像上の背景因子から,すべり率25%以内,前後屈すべり率差15%以内,椎間可動角20°未満,前屈時後方開大角10°未満の本症に対しては,椎間関節を含む後方要素を可及的に温存しかつ十分な除圧を行えば,固定術を併用しなくても対応が可能であると思われた. |
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ISSN: | 1345-9074 1882-1863 |
DOI: | 10.3753/yotsu.10.60 |