在宅介護の継続過程における訪問看護師の役割 危機とルーチンの相互関係の分析を通して

本研究の目的は,在宅介護のプロセスにおける危機とルーチンの相互関係および訪問看護師の役割を分析することである。 対象は,訪問看護ステーションを利用する要介護高齢者の家族介護者10名である。 調査方法は訪問看護場面における参加観察と半構成的面接で,介護者にはこれまでの介護経験を語ってもらった。 分析にはグラウンデッド・セオリー法を用いた。 介護のプロセスには多くの危機が存在し,危機とルーチンの繰り返しであった。 こうした危機経験を繰り返すことにより,介護者はルーチンに落ち着くことが可能となった。 訪問看護師は状況の変化によって移り変わる家族のニーズを捉え,適切に対処していた。 介護者はこれまでの...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 25; no. 5; pp. 5_83 - 5_95
Main Author 古瀬, みどり
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.12.2002
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20020903007

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Summary:本研究の目的は,在宅介護のプロセスにおける危機とルーチンの相互関係および訪問看護師の役割を分析することである。 対象は,訪問看護ステーションを利用する要介護高齢者の家族介護者10名である。 調査方法は訪問看護場面における参加観察と半構成的面接で,介護者にはこれまでの介護経験を語ってもらった。 分析にはグラウンデッド・セオリー法を用いた。 介護のプロセスには多くの危機が存在し,危機とルーチンの繰り返しであった。 こうした危機経験を繰り返すことにより,介護者はルーチンに落ち着くことが可能となった。 訪問看護師は状況の変化によって移り変わる家族のニーズを捉え,適切に対処していた。 介護者はこれまでの介護プロセスを振り返り,訪問看護師が果たしてきた役割を "介護のモデル" "介護のコーディネート" "情緒的支援" と認識していた。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20020903007