全球水資源評価における家庭・工業用水取水量の将来推計式の相互比較

全球水資源評価において家庭・工業用水取水量の将来推計に利用されてきた3組の推計式 (高橋ら, Shenら, Alcamoら) を同一の条件のもとで適用し, 過去から将来にかけての推計値を相互比較した. この結果, Alcamoらによる将来推計は他の式に比べ, 家庭用水を大きく, 工業用水を小さく見積もり, Shenらの式は逆の傾向を示した. 両者の違いは大きく, 全球水資源評価において無視しえないものであった. この原因は, 家庭用水については, 開発途上国における一人当たり家庭用水取水量がどこで飽和するかというピーク値の設定手法に, 工業用水については, 経済成長に伴う工業用水取水量の原単位...

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Published in地球環境シンポジウム講演論文集 Vol. 16; pp. 1 - 8
Main Authors 高橋, 潔, 肱岡, 靖明, 増冨, 祐司, 花崎, 直太
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 土木学会 2008
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ISSN1884-8419
DOI10.2208/proge.16.1

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Summary:全球水資源評価において家庭・工業用水取水量の将来推計に利用されてきた3組の推計式 (高橋ら, Shenら, Alcamoら) を同一の条件のもとで適用し, 過去から将来にかけての推計値を相互比較した. この結果, Alcamoらによる将来推計は他の式に比べ, 家庭用水を大きく, 工業用水を小さく見積もり, Shenらの式は逆の傾向を示した. 両者の違いは大きく, 全球水資源評価において無視しえないものであった. この原因は, 家庭用水については, 開発途上国における一人当たり家庭用水取水量がどこで飽和するかというピーク値の設定手法に, 工業用水については, 経済成長に伴う工業用水取水量の原単位の逓減の設定手法にあることを明らかにし, それぞれの式に今後の研究の課題を示した.
ISSN:1884-8419
DOI:10.2208/proge.16.1