腰痛に対する腰部交感神経節ブロック 腰痛に対する腰部交感神経節ブロックの位置付け

腰仙椎部退行性疾患が疑われ, 当科における腰下肢痛の診断・治療体系に従って神経根ブロック, 椎間関節ブロック, 仙腸関節ブロック, あるいは腰部交感神経節ブロックなどにより腰痛の分析が行われた236名を対象とした. 最多年代層は, 60歳台であった. 結果 : (1) 下肢痛を伴う腰痛の65%, 殿部痛の82%が, 下肢症状の原因である罹患神経根ブロックで症状が消失した. (2) 下肢痛を伴わない腰痛の22%, 殿部痛の80%が神経根ブロックで症状が消失した. (3) 非神経根性腰痛と診断された症例のうち, 腰部交感神経節ブロックあるいは第2腰神経根ブロックにより腰痛が消失し, 非髄節性の腰痛...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 12; no. 1; pp. 61 - 66
Main Authors 五十嵐, 環, 大谷, 晃司, 菊地, 臣一, 紺野, 慎一, 矢吹, 省司, 二階堂, 琢也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 31.10.2006
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-9074
1882-1863
DOI10.3753/yotsu.12.61

Cover

More Information
Summary:腰仙椎部退行性疾患が疑われ, 当科における腰下肢痛の診断・治療体系に従って神経根ブロック, 椎間関節ブロック, 仙腸関節ブロック, あるいは腰部交感神経節ブロックなどにより腰痛の分析が行われた236名を対象とした. 最多年代層は, 60歳台であった. 結果 : (1) 下肢痛を伴う腰痛の65%, 殿部痛の82%が, 下肢症状の原因である罹患神経根ブロックで症状が消失した. (2) 下肢痛を伴わない腰痛の22%, 殿部痛の80%が神経根ブロックで症状が消失した. (3) 非神経根性腰痛と診断された症例のうち, 腰部交感神経節ブロックあるいは第2腰神経根ブロックにより腰痛が消失し, 非髄節性の腰痛と診断された症例は約40%存在した. 結論 : 非髄節性の腰痛が約40%存在することから, 非髄節性の腰痛の診断や治療を行ううえで, 腰部交感神経節ブロックは必要な手技の一つである.
ISSN:1345-9074
1882-1863
DOI:10.3753/yotsu.12.61