アクリル酸とアクリル酸n-ヘキシル, 2-エチルヘキシルおよびn-ドデシルコテロマーの合成と多鎖型界面活性剤としての性質

アクリル酸とアクリル酸アルキルコテロマーの多鎖型界面活性剤 (xRmA-yAA, x, y及びmはそれぞれアルキル鎖の数, 親水基の数及びアルキル鎖長を意味する) を連鎖移動剤に2-アミノエタンチオール塩酸塩を用いて, アクリル酸とアクリル酸n-ヘキシル, 2-エチルヘキシル及びn-ドデシルのコテロメリゼーションにより合成し, 界面化学的性質について検討した。xR6A-yAA, xR8A-yAA及びxR12A-yAA水溶液の表面張力は, それぞれ28~32, 27~30及び38~45mN m-1であった。臨界ミセル濃度 (cmc) は, アルキル鎖数及び鎖長の増加に伴って減少した。300ppm...

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Published in日本油化学会誌 Vol. 49; no. 8; pp. 801 - 808,841
Main Authors 正泉寺, 秀人, 吉村, 倫一, 小出, 善文, 江角, 邦男
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 公益社団法人 日本油化学会 2000
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ISSN1341-8327
1884-1996
DOI10.5650/jos1996.49.801

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Summary:アクリル酸とアクリル酸アルキルコテロマーの多鎖型界面活性剤 (xRmA-yAA, x, y及びmはそれぞれアルキル鎖の数, 親水基の数及びアルキル鎖長を意味する) を連鎖移動剤に2-アミノエタンチオール塩酸塩を用いて, アクリル酸とアクリル酸n-ヘキシル, 2-エチルヘキシル及びn-ドデシルのコテロメリゼーションにより合成し, 界面化学的性質について検討した。xR6A-yAA, xR8A-yAA及びxR12A-yAA水溶液の表面張力は, それぞれ28~32, 27~30及び38~45mN m-1であった。臨界ミセル濃度 (cmc) は, アルキル鎖数及び鎖長の増加に伴って減少した。300ppmのCa2+存在下では, 2.9R6A-2.3AA, 2.8R8A-2.5AA及び2.7R12A-2.9AAは, それぞれ24, 28及び33mN m-1の表面張力であった。短いアルキル鎖を有する2.9R6A-2.3AAは高い泡沫安定性を示したが, 分岐鎖を有する2.8R8A-2.5AAは低い安定性を示した。xR6A-yAA, xR8A-yAA及びxR12A-yAA水溶液とトルエンとの界面張力は, それぞれ, 11~13, 8~12及び10~15mN m-1であり, cmcは一般の界面活性剤ドデカン酸ナトリウムに比べて1/3~1/4となった。トルエンの乳化は, コテロマー水溶液と振り混ぜることによって形成し, 特に2~3本のアルキル鎖を有するコテロマーに高い安定な水中油滴型のエマルションが認められた。
ISSN:1341-8327
1884-1996
DOI:10.5650/jos1996.49.801