測定誤差を考慮した隠れマルコフ劣化モデル

土木施設の劣化予測モデルとして,劣化過程を健全度間の推移確率を用いて表現したマルコフ劣化モデルが提案されている.土木施設の健全度の評価結果には,ランダム誤差や,多くの劣化事象の中から評価対象となる事象を選択する場合に生じるシステム誤差が存在する.本研究では,土木施設の劣化過程をマルコフ劣化モデルとして表現するとともに,健全度の測定結果に誤差が発生するメカニズムを隠れマルコフ劣化モデルを用いて表現する.その上で,真の健全度により定義されるマルコフ劣化モデルを,マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)シミュレーションによりベイズ推計する方法論を提案する.さらに,道路舗装を対象とした適用事例を通じて,隠...

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Published in土木学会論文集D Vol. 64; no. 3; pp. 493 - 512
Main Authors 林, 秀和, 貝戸, 清之, 小林, 潔司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 土木学会 2008
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ISSN1880-6058
DOI10.2208/jscejd.64.493

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Summary:土木施設の劣化予測モデルとして,劣化過程を健全度間の推移確率を用いて表現したマルコフ劣化モデルが提案されている.土木施設の健全度の評価結果には,ランダム誤差や,多くの劣化事象の中から評価対象となる事象を選択する場合に生じるシステム誤差が存在する.本研究では,土木施設の劣化過程をマルコフ劣化モデルとして表現するとともに,健全度の測定結果に誤差が発生するメカニズムを隠れマルコフ劣化モデルを用いて表現する.その上で,真の健全度により定義されるマルコフ劣化モデルを,マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)シミュレーションによりベイズ推計する方法論を提案する.さらに,道路舗装を対象とした適用事例を通じて,隠れマルコフ劣化モデルの有効性について考察する.
ISSN:1880-6058
DOI:10.2208/jscejd.64.493