シンボルコミュニケーションにおける受信者側のイメージに関する研究 モノクロシンボルとカラーシンボルのイメージ測定

シンボルコミュニケーションの研究では,表出障害をもつ人々(発信者)が,他者(受信者)に対しシンボルで意志を伝えるという発信者側が主体の研究は多く見受けられるものの,受信者側が主体の研究はあまりみられない.そこで本研究では,シンボルの受信者側が,モノクロシンボルおよびカラーシンボルから受けるイメージを比較するために,成人を対象として,形容詞,動詞,名詞に相当するシンボルのイメージ測定を行い,シンボルコミュニケーションを行う上で,より妥当なシンボルの選定を行うことを目的とした.結果,形容詞,動詞,名詞の30語中27語でモノクロシンボルよりカラーシンボルの方が,対象となる語をより的確に表していると評...

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Published in高知リハビリテーション学院紀要 Vol. 9; pp. 49 - 53
Main Authors 稲田, 勤, 野々, 篤志, 石川, 裕治, 本田, 梨佐, 吉村, 知佐子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 学校法人高知学園 高知リハビリテーション学院 31.03.2008
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ISSN1345-5648
2433-4553
DOI10.15028/kochireha.9.0_49

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Summary:シンボルコミュニケーションの研究では,表出障害をもつ人々(発信者)が,他者(受信者)に対しシンボルで意志を伝えるという発信者側が主体の研究は多く見受けられるものの,受信者側が主体の研究はあまりみられない.そこで本研究では,シンボルの受信者側が,モノクロシンボルおよびカラーシンボルから受けるイメージを比較するために,成人を対象として,形容詞,動詞,名詞に相当するシンボルのイメージ測定を行い,シンボルコミュニケーションを行う上で,より妥当なシンボルの選定を行うことを目的とした.結果,形容詞,動詞,名詞の30語中27語でモノクロシンボルよりカラーシンボルの方が,対象となる語をより的確に表していると評価された.また,シンボル全体でのイメージ評定では,7語中7語全てに有意差が認められ,モノクロよりも配色されたカラーシンボルの方が,肯定的イメージを持たせやすい可能性が考えられた.今後は,色に加え多様な評価基準を加えた検討が必要となる.
ISSN:1345-5648
2433-4553
DOI:10.15028/kochireha.9.0_49