腰椎椎間板ヘルニアに対する神経根ブロックの治療効果

神経根ブロック,硬膜外ブロックおよびブロックを行わずに治療を行った例の3群間の治療成績の差異を明らかにすることを第一の目的とした.第二には,神経根ブロックにおけるステロイド使用の意義を明らかにすることを目的に,椎間板ヘルニアに対する神経根ブロックの治療効果をステロイド使用群と非使用群とで比較した.腰椎椎間板ヘルニアに対するブロック療法群と非ブロック療法群の成績は,治療後6カ月の時点ではブロック療法群の方が有意に成績が良かった.しかし,治療後2年では,両者の差はなかった.ブロック群では,症状軽快または消失までの期間が非ブロック群に比べ有意に短かった.また神経根ブロック群の方が硬膜外ブロック群より...

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Bibliographic Details
Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 9; no. 1; pp. 89 - 94
Main Authors 菊地, 臣一, 紺野, 慎一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 2003
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ISSN1345-9074
1882-1863
DOI10.3753/yotsu.9.89

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Summary:神経根ブロック,硬膜外ブロックおよびブロックを行わずに治療を行った例の3群間の治療成績の差異を明らかにすることを第一の目的とした.第二には,神経根ブロックにおけるステロイド使用の意義を明らかにすることを目的に,椎間板ヘルニアに対する神経根ブロックの治療効果をステロイド使用群と非使用群とで比較した.腰椎椎間板ヘルニアに対するブロック療法群と非ブロック療法群の成績は,治療後6カ月の時点ではブロック療法群の方が有意に成績が良かった.しかし,治療後2年では,両者の差はなかった.ブロック群では,症状軽快または消失までの期間が非ブロック群に比べ有意に短かった.また神経根ブロック群の方が硬膜外ブロック群よりも有症状期間をさらに短縮していた.神経根ブロックにおけるステロイド使用の意義は,椎間板ヘルニアでは少なかった.
ISSN:1345-9074
1882-1863
DOI:10.3753/yotsu.9.89