スキー・スノーボード外傷の最近の傾向 (第2報) スキーボード外傷と“エア外傷”について

当教室ではスキー・スノーボード外傷の特徴や, その予防について報告してきたが, 近年, 新たな動向がみられたので検討した.スキー外傷の発生機序は比較的画一的で, 最近はスキーボード (ショートスキー) の出現により, 下腿骨の螺旋骨折が急増した.一方, スノーボード外傷は競技種目が多彩で, 独持の滑走フォーム (サイドウェイ・スタンスで, 両足を同一平面上に固定していること) により, その発生機序も多岐に及ぶ.また, スノーボード外傷では中級者によるジャンプ着地失敗や, 初級者による緩斜面での『逆エッジ』による転倒が目立つ.ゲレンデにおけるスキー・スノーボード外傷による全体の受傷率減少を達成...

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Published in昭和医学会雑誌 Vol. 65; no. 5; pp. 385 - 393
Main Authors 石川, 大樹, 雨宮, 雷太, 田中, 宏典, 塩谷, 英司, 阪本, 桂造, 宮岡, 英世, 栗山, 節郎, 渡辺, 幹彦, 星田, 隆彦, 山本, 茂樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 28.10.2005
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ISSN0037-4342
2185-0976
DOI10.14930/jsma1939.65.385

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Summary:当教室ではスキー・スノーボード外傷の特徴や, その予防について報告してきたが, 近年, 新たな動向がみられたので検討した.スキー外傷の発生機序は比較的画一的で, 最近はスキーボード (ショートスキー) の出現により, 下腿骨の螺旋骨折が急増した.一方, スノーボード外傷は競技種目が多彩で, 独持の滑走フォーム (サイドウェイ・スタンスで, 両足を同一平面上に固定していること) により, その発生機序も多岐に及ぶ.また, スノーボード外傷では中級者によるジャンプ着地失敗や, 初級者による緩斜面での『逆エッジ』による転倒が目立つ.ゲレンデにおけるスキー・スノーボード外傷による全体の受傷率減少を達成させるためには, いかにスノーボード外傷の受傷率, つまり, スノーボーダーにおける“エア (ジャンプ) 外傷”の受傷率を減少させるかが鍵である.
ISSN:0037-4342
2185-0976
DOI:10.14930/jsma1939.65.385