漢方診療外来における電話相談対応の実態調査研究 外来看護師が感じる対応困難の影響要因とその対処方法

漢方診療外来における電話相談に看護師が対応できる方法を明らかにするために,電話対応困難な点の実態調査を行った。電話対応の記述データから,看護師が1人で対応できなかった相談内容を抽出して分類した。対応困難の影響要因を明らかにし,対処方法を決めて実施した。1年後に電話対応の実態調査をそれ以前と比較検討した。 看護師の対応が困難な電話相談は,「体調不良の相談」「処方された漢方薬についての質問」「患者の自己判断による報告や質問」「治療や入院について」の4つに分類された。漢方薬についての質問は「服薬継続」「飲み合わせ」であり,自己判断による報告は漢方薬の「減量」「変更」であった。医師と共に作成したガイド...

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Published in日本東洋医学雑誌 Vol. 71; no. 3; pp. 185 - 192
Main Authors 並木, 隆雄, 杉森, 裕樹, 藤田, 尚, 小池, 潤, 岡本, 英輝, 平崎, 能郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本東洋医学会 2020
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ISSN0287-4857
1882-756X
DOI10.3937/kampomed.71.185

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Summary:漢方診療外来における電話相談に看護師が対応できる方法を明らかにするために,電話対応困難な点の実態調査を行った。電話対応の記述データから,看護師が1人で対応できなかった相談内容を抽出して分類した。対応困難の影響要因を明らかにし,対処方法を決めて実施した。1年後に電話対応の実態調査をそれ以前と比較検討した。 看護師の対応が困難な電話相談は,「体調不良の相談」「処方された漢方薬についての質問」「患者の自己判断による報告や質問」「治療や入院について」の4つに分類された。漢方薬についての質問は「服薬継続」「飲み合わせ」であり,自己判断による報告は漢方薬の「減量」「変更」であった。医師と共に作成したガイドラインを導入した結果,外来看護師は受診患者から多い質問への対応が可能になった。1年後の対応困難件数は半数以下に減少し,初診後1週間以内の電話相談は無くなった。
ISSN:0287-4857
1882-756X
DOI:10.3937/kampomed.71.185