膝靭帯再建術後における化膿性膝関節炎の予防について 当院での工夫: 再建靭帯の『イソジン漬け』

膝靭帯再建, 特にACL再建における術式 (骨孔位置の決定, 移植腱の選択など) を報告したものは多く見られるが, 感染の予防について論じたものは少ない.以前より我々は膝靭帯再建の治療成績を報告してきたが, 今回はその感染予防に努めた『術中での工夫』について報告する.2001年4月から2005年10月までに鏡視下膝靭帯再建術を行った522例である.2001年度の感染を契機に縫合糸の選択や関節内ドレーン留置などの工夫をつづけ, 最近では再建靭帯を骨孔挿入直前までポピドンヨードに浸し生理食塩水で洗浄する (『イソジン漬け』) .感染例は2001~2004年度で12例であったが, 積極的に『イソジン...

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Published in昭和医学会雑誌 Vol. 67; no. 1; pp. 68 - 73
Main Authors 石川, 大樹, 宮岡, 英世, 栗山, 節郎, 塩谷, 英司, 星田, 隆彦, 山本, 茂樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 28.02.2007
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ISSN0037-4342
2185-0976
DOI10.14930/jsma1939.67.68

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Summary:膝靭帯再建, 特にACL再建における術式 (骨孔位置の決定, 移植腱の選択など) を報告したものは多く見られるが, 感染の予防について論じたものは少ない.以前より我々は膝靭帯再建の治療成績を報告してきたが, 今回はその感染予防に努めた『術中での工夫』について報告する.2001年4月から2005年10月までに鏡視下膝靭帯再建術を行った522例である.2001年度の感染を契機に縫合糸の選択や関節内ドレーン留置などの工夫をつづけ, 最近では再建靭帯を骨孔挿入直前までポピドンヨードに浸し生理食塩水で洗浄する (『イソジン漬け』) .感染例は2001~2004年度で12例であったが, 積極的に『イソジン漬け』を施行した2004年9月から感染例を認めない.感染予防特にポピドンヨード使用は細胞毒性の問題を抱えるものの, 膝鏡視下手術後の化膿性関節炎のリスク軽減には必要不可欠である.
ISSN:0037-4342
2185-0976
DOI:10.14930/jsma1939.67.68