口腔乾燥症に関する臨床的研究 口腔症状の加齢による影響

今回, われわれは口腔乾燥, 口腔乾燥関連症状を訴えた患者における加齢の影響と口腔乾燥感を引き起こす安静時全唾液量に関して検討するために本研究を行った。 対象は, 1991年5月~1994年3月までに名古屋大学医学部歯科口腔外科口腔不快症状外来を受診し, 口腔乾燥, 口腔乾燥関連症状を訴えた患者, 男性15名, 女性30名である。 検討項目は, 1) 年齢分布2) 全身疾患3) 安静時10分間全唾液量4) 患者の訴え5) 舌所見に関し年齢を中心に比較検討を行った。 今回の結果では, 年齢と相関が認められたのは全身疾患だけであり, その他に関しては明らかな年齢との相関は認められなかった。しかし,...

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Published in老年歯科医学 Vol. 9; no. 3; pp. 159 - 164
Main Authors 大野, 雅弘, 上田, 実, 各務, 秀明, 西口, 浩明, 重冨, 俊雄, 牧, かおり
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本老年歯科医学会 31.03.1995
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ISSN0914-3866
1884-7323
DOI10.11259/jsg1987.9.159

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Summary:今回, われわれは口腔乾燥, 口腔乾燥関連症状を訴えた患者における加齢の影響と口腔乾燥感を引き起こす安静時全唾液量に関して検討するために本研究を行った。 対象は, 1991年5月~1994年3月までに名古屋大学医学部歯科口腔外科口腔不快症状外来を受診し, 口腔乾燥, 口腔乾燥関連症状を訴えた患者, 男性15名, 女性30名である。 検討項目は, 1) 年齢分布2) 全身疾患3) 安静時10分間全唾液量4) 患者の訴え5) 舌所見に関し年齢を中心に比較検討を行った。 今回の結果では, 年齢と相関が認められたのは全身疾患だけであり, その他に関しては明らかな年齢との相関は認められなかった。しかし, 男女での比較で統計的有意差は認あなかったものの各年代で女性の分泌量が多い傾向を示した。また, 舌所見では舌苔, 発赤群で女性の分泌量が有意に多く認められた。 今回の結果から女性において, 安静時全唾液量はかならずしも口腔粘膜の状態と症状を反映していないと思われた。
ISSN:0914-3866
1884-7323
DOI:10.11259/jsg1987.9.159