一斉指導で利用可能なひらがな単語読みの評価に関する研究 ひらがな単語連鎖課題による検討

近年、低学年で学習困難を示す児童に対する教育支援の必要性が指摘されている。本研究では、教室の指導で利用可能なひらがな単語連鎖課題の有効性を検討した。小学2年生189名を対象に、ひらがな単語連鎖課題、ひらがな音読課題、国語の基礎テストを行った。ひらがな単語連鎖課題では、1列10文字で、7列にわたってひらがな文字が配列され、児童は文字を端から読み、有意味単語を丸で囲うよう教示された。音読課題とひらがな単語連鎖課題の低成績の生起に関するオッズ比を算出した。その結果、ひらがな単語連鎖課題で低成績を示す児童は、音読課題が低成績であるリスクが高いことを指摘できた。重回帰分析の結果、ひらがな単文音読課題とひ...

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Published in特殊教育学研究 Vol. 50; no. 1; pp. 21 - 30
Main Authors 藤井, 温子, 雲井, 未歓, 吉田, 有里, 岡野, ゆう, 小池, 敏英, 徐, 欣薇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本特殊教育学会 2012
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ISSN0387-3374
2186-5132
DOI10.6033/tokkyou.50.21

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Summary:近年、低学年で学習困難を示す児童に対する教育支援の必要性が指摘されている。本研究では、教室の指導で利用可能なひらがな単語連鎖課題の有効性を検討した。小学2年生189名を対象に、ひらがな単語連鎖課題、ひらがな音読課題、国語の基礎テストを行った。ひらがな単語連鎖課題では、1列10文字で、7列にわたってひらがな文字が配列され、児童は文字を端から読み、有意味単語を丸で囲うよう教示された。音読課題とひらがな単語連鎖課題の低成績の生起に関するオッズ比を算出した。その結果、ひらがな単語連鎖課題で低成績を示す児童は、音読課題が低成績であるリスクが高いことを指摘できた。重回帰分析の結果、ひらがな単文音読課題とひらがな単語連鎖課題の成績は、ともに国語の達成レベルに関係することが明らかになった。ひらがな単語連鎖課題は、読みの語彙プロセスと関連し、教室で利用可能なひらがな単語の音読評価として有効であることが指摘できる。
ISSN:0387-3374
2186-5132
DOI:10.6033/tokkyou.50.21