コンサルテーション・リエゾン精神医学における身体疾患による適応障害の臨床研究 疾病の受容過程における体験反応様式による亜型分類の試み

総合病院においてコンサルテーション・リエゾン領域で関わった身体疾患による適応障害の症例について,疾病の受容過程における体験反応様式により3つに亜型分類を試みた。対象は2004年4月~2006年12月に他科から新規に精神科にコンサルテーションされた身体疾患による適応障害71例。疾病の受容過程における体験反応様式から単純型,発散型,葛藤露呈型に分類し,代表症例を提示した。次に年齢,性別,症状,発症から入院までの期間,入院期間,予後について比較検討し,その臨床的特徴について記述した。そして,各亜型の特徴などから,それらは独立したものではなく連続性をもち,疾病受容における心理的苦痛の深度によって層構造...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in総合病院精神医学 Vol. 23; no. 1; pp. 60 - 70
Main Authors 佐藤, 直弘, 木村, 哲也, 木村, 宏之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本総合病院精神医学会 15.01.2011
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0915-5872
2186-4810
DOI10.11258/jjghp.23.60

Cover

More Information
Summary:総合病院においてコンサルテーション・リエゾン領域で関わった身体疾患による適応障害の症例について,疾病の受容過程における体験反応様式により3つに亜型分類を試みた。対象は2004年4月~2006年12月に他科から新規に精神科にコンサルテーションされた身体疾患による適応障害71例。疾病の受容過程における体験反応様式から単純型,発散型,葛藤露呈型に分類し,代表症例を提示した。次に年齢,性別,症状,発症から入院までの期間,入院期間,予後について比較検討し,その臨床的特徴について記述した。そして,各亜型の特徴などから,それらは独立したものではなく連続性をもち,疾病受容における心理的苦痛の深度によって層構造をていると考えられた。以上により,これらの亜型分類は,疾病受容における患者理解に有用な視点を提供し得ることが示唆された。
ISSN:0915-5872
2186-4810
DOI:10.11258/jjghp.23.60