地方自治体における災害時の公衆衛生活動に対する準備状況の実態 自治体種別による比較より
目的:都道府県,保健所設置市,その他一般市町村別に,災害時の公衆衛生活動に対する準備状況の実態を明らかにするとともに,災害時の公衆衛生活動に関する訓練の実施と関連する準備項目を明らかにすることを目的とした.方法:文献から平時の備えにより災害時の公衆衛生活動が促進されると報告されている項目を抽出し,それらの準備状況について,全国の都道府県,保健所設置市,その他一般市町村,保健所に配置されている統括的役割を担う保健師等を対象として郵送自記式アンケートを実施した.アンケートで得られたデータは都道府県及び都道府県型保健所,保健所設置市,一般市町村の 3 群に分類して実態を分析した.その後,自治体種別を...
Saved in:
| Published in | 保健医療科学 Vol. 67; no. 5; pp. 530 - 541 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
国立保健医療科学院
28.12.2018
|
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1347-6459 2432-0722 |
| DOI | 10.20683/jniph.67.5_530 |
Cover
| Summary: | 目的:都道府県,保健所設置市,その他一般市町村別に,災害時の公衆衛生活動に対する準備状況の実態を明らかにするとともに,災害時の公衆衛生活動に関する訓練の実施と関連する準備項目を明らかにすることを目的とした.方法:文献から平時の備えにより災害時の公衆衛生活動が促進されると報告されている項目を抽出し,それらの準備状況について,全国の都道府県,保健所設置市,その他一般市町村,保健所に配置されている統括的役割を担う保健師等を対象として郵送自記式アンケートを実施した.アンケートで得られたデータは都道府県及び都道府県型保健所,保健所設置市,一般市町村の 3 群に分類して実態を分析した.その後,自治体種別を調整した上で「災害時の公衆衛生活動に関する訓練実施の有無」を従属変数として多重ロジスティック回帰分析を行った.結果:回答数は1,159件(回収率51.1%)であった.市町村では都道府県や保健所設置市と比較して,災害対策本部への保健医療部局の出席,マニュアルの作成,他部局や医師会等との連携,研修や訓練などの項目において実施割合が低かった.保健所設置市と市町村間で避難行動要支援者名簿の作成や管理状況に特に差はなかった.災害時の公衆衛生活動に関する訓練の実施については,保健医療活動チームからの応援を終了するタイミングの目安を決めていることや医師会・薬剤師会等が災害対策を話し合う場があること,研修への派遣など 9 項目との関連が明らかになった.結論:市町村の災害時の公衆衛生活動に対する準備状況が遅れていることが明らかになった.災害時の公衆衛生活動に関する災害訓練の実施と関連ある準備項目は,関係機関との連携や受援体制の検討,研修の受講などであった. |
|---|---|
| ISSN: | 1347-6459 2432-0722 |
| DOI: | 10.20683/jniph.67.5_530 |