看護技術の実態調査 清潔ケア, 感染予防, 周術期ケアに関する分析

2001年に実施した看護技術に関する実態調査から10年を経て, 国民に提供されている看護技術の現状を改めて把握し, 看護技術の課題を検討することを目的に質問紙調査を行った. このうち, 本論文では清潔ケア, 感染予防, 周術期ケアに関する分析結果を報告する.  看護技術の実践内容やその理由を問う46項目からなる自記式無記名の質問紙を作成し, 2012年7月~12月にかけて全国5ヵ所の研修会に参加した看護職476名に配布した. 質問紙は458名から回収 (回収率96.2%), 有効回答数は374(有効回答率81.7%) であった. 回答者は経験年数5年未満から35年以上までを含む看護師, 准看護...

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Published in日本看護技術学会誌 Vol. 15; no. 2; pp. 146 - 153
Main Authors 菱沼, 典子, 大久保, 暢子, 大橋, 久美子, 佐居, 由美, 蜂ヶ崎, 令子, 加藤木, 真史, 伊東, 美奈子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護技術学会 20.08.2016
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ISSN1349-5429
2423-8511
DOI10.18892/jsnas.15.2_146

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Summary:2001年に実施した看護技術に関する実態調査から10年を経て, 国民に提供されている看護技術の現状を改めて把握し, 看護技術の課題を検討することを目的に質問紙調査を行った. このうち, 本論文では清潔ケア, 感染予防, 周術期ケアに関する分析結果を報告する.  看護技術の実践内容やその理由を問う46項目からなる自記式無記名の質問紙を作成し, 2012年7月~12月にかけて全国5ヵ所の研修会に参加した看護職476名に配布した. 質問紙は458名から回収 (回収率96.2%), 有効回答数は374(有効回答率81.7%) であった. 回答者は経験年数5年未満から35年以上までを含む看護師, 准看護師, 助産師, 看護教員であった.  石鹸を使わずタオルのみで清拭を行うと回答した臨床家が半数を占めるなど, 清潔ケアの提供方法は10年間で変化していた一方, ウォッシュクロスの使用に関する臨床実践と看護基礎教育の乖離は変わっていなかった. また, 手指衛生や術前剃毛などの技術が, ガイドラインや研究成果により推奨される方法で実施されていない現状が明らかになった. 看護技術の原理原則に含まれる不明な根拠を明らかにする研究に取り組むとともに, 研究成果の積極的な普及が必要であると考えられた.
ISSN:1349-5429
2423-8511
DOI:10.18892/jsnas.15.2_146