現在の髄膜腫治療における課題の克服 多様性と協調性を活かして
髄膜腫の治療は手術摘出が第一選択であり, かねてから摘出度を高めることを主とした比較的画一的な治療方針が選択されてきた. しかし髄膜腫の約1割は高増殖能を有し, 摘出度の追求のみでは治療に難渋する. 一方で, 個々の腫瘍の生物学的特性に基づく手術戦略の個別化や, 正確な再発予測による術後療法の適正化などの問題はいまだに解決されていない. 本稿ではこれらの課題の中から 「多様性と協調性を活かす」 という観点に立ち, 生物学的特性・発生部位・治療法の3つについて焦点をあてる. 脳神経外科医が髄膜腫治療の多様性に関する最新の知見に基づいて未解決の課題を克服するために, 他領域と協調して治療に取り組む...
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Published in | 脳神経外科ジャーナル Vol. 32; no. 11; pp. 702 - 709 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
2023
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0917-950X 2187-3100 |
DOI | 10.7887/jcns.32.702 |
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Summary: | 髄膜腫の治療は手術摘出が第一選択であり, かねてから摘出度を高めることを主とした比較的画一的な治療方針が選択されてきた. しかし髄膜腫の約1割は高増殖能を有し, 摘出度の追求のみでは治療に難渋する. 一方で, 個々の腫瘍の生物学的特性に基づく手術戦略の個別化や, 正確な再発予測による術後療法の適正化などの問題はいまだに解決されていない. 本稿ではこれらの課題の中から 「多様性と協調性を活かす」 という観点に立ち, 生物学的特性・発生部位・治療法の3つについて焦点をあてる. 脳神経外科医が髄膜腫治療の多様性に関する最新の知見に基づいて未解決の課題を克服するために, 他領域と協調して治療に取り組むことが重要であると考えられる. |
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ISSN: | 0917-950X 2187-3100 |
DOI: | 10.7887/jcns.32.702 |