キュウリ子葉組織からのカルス形成および植物体再生

キュウリ子葉組織からのカルスおよび不定芽形成における各種オーキシンとサイトカイニンの組合せに対する反応の差異と品種間差異について検討した. 王金促成を用いた各種ホルモンの組合せおよび濃度に対する反応は, IAA+Kinetin ではカルス形成, 不定芽形成とも劣り, IAA+BA および NAA+BA では広い濃度範囲で容易にカルス形成が認められた. しかし, 不定芽形成過程はオーキシンの種類で差があり, IAA+BA では, IAAが低濃度の場合は子葉の切断面から直接, そして, 高濃度の場合はカルス上に不定芽が形成され, NAA+BA では NAA0.1~1mg/l+BA0.5mg/l で...

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Bibliographic Details
Published in植物組織培養 Vol. 7; no. 3; pp. 181 - 186
Main Authors 景山, 幸二, 矢部, 和則, 宮島, 成壽
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本植物細胞分子生物学会 1990
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ISSN0289-5773
1884-7706
DOI10.5511/plantbiotechnology1984.7.181

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Summary:キュウリ子葉組織からのカルスおよび不定芽形成における各種オーキシンとサイトカイニンの組合せに対する反応の差異と品種間差異について検討した. 王金促成を用いた各種ホルモンの組合せおよび濃度に対する反応は, IAA+Kinetin ではカルス形成, 不定芽形成とも劣り, IAA+BA および NAA+BA では広い濃度範囲で容易にカルス形成が認められた. しかし, 不定芽形成過程はオーキシンの種類で差があり, IAA+BA では, IAAが低濃度の場合は子葉の切断面から直接, そして, 高濃度の場合はカルス上に不定芽が形成され, NAA+BA では NAA0.1~1mg/l+BA0.5mg/l でカルス上に不定芽が形成された. 形成された不定芽は, ホルモンフリーのMS培地に移植することにより植物体に再生した. 供試した5品種間で植物体再生能および不定芽形成のための最適培地条件に差異が認められた. また, 王金促成は, 供試品種中で最も植物体再生能が高いと考えられた.
ISSN:0289-5773
1884-7706
DOI:10.5511/plantbiotechnology1984.7.181