ヨウ素酸銀を用いる微量ハロゲン化物イオンの吸光光度定量

ハロゲン化物(塩化物,臭化物,ヨウ化物)イオンは固体ヨウ素酸銀との置換反応によりヨウ素酸イオンを遊離する.ヨウ素酸イオンの生成量に基づくI3-の紫外部における吸収を測定することによって,微量ハロゲン化物イオンを間接的に定量する方法を検討した. 試料溶液に酢酸とエタノールを加え一定温度にしてから,固体ヨウ素酸銀を加える.よく振り混ぜてから遠心分離した後,上澄液を分取し酢酸とヨウ化カリウム溶液を加える.I3-の吸光度を波長350nmで測定することによって,(0.2~3.0)×10-4Mのハロゲン化物イオンを定量できる.普通の天然水中における塩化物イオンの定量に適用したところ,標準偏差パーセントは1...

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Published in分析化学 Vol. 29; no. 10; pp. 703 - 707
Main Authors 横田, 純一郎, 内海, 喩, 磯崎, 昭徳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 1980
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.29.10_703

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Summary:ハロゲン化物(塩化物,臭化物,ヨウ化物)イオンは固体ヨウ素酸銀との置換反応によりヨウ素酸イオンを遊離する.ヨウ素酸イオンの生成量に基づくI3-の紫外部における吸収を測定することによって,微量ハロゲン化物イオンを間接的に定量する方法を検討した. 試料溶液に酢酸とエタノールを加え一定温度にしてから,固体ヨウ素酸銀を加える.よく振り混ぜてから遠心分離した後,上澄液を分取し酢酸とヨウ化カリウム溶液を加える.I3-の吸光度を波長350nmで測定することによって,(0.2~3.0)×10-4Mのハロゲン化物イオンを定量できる.普通の天然水中における塩化物イオンの定量に適用したところ,標準偏差パーセントは1.9%であった.塩化物イオンを中心に定量条件を詳細に検討した.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.29.10_703