医療機関における患者・家族支援体制の現状と課題 医療対話推進者に期待される役割と今後の展望

平成24年の診療報酬改定で患者サポート体制充実加算が新設され,医療機関では医療対話推進者の配置が検討されてきた。今回,医療対話推進者の配置,患者・家族支援体制の状況等に関して調査し,医療対話推進者に期待される役割と患者・家族支援体制の今後の展望を検討した。対象は医療安全対策加算1,2を申請している医療機関(3,479施設)とした。医療機関976施設から回答が得られた(回収率28.1%)。医療対話推進者配置の効果は,「患者・家族からの相談への適切な対応」「スムーズな各部門間の連携・調整」等が効果的と判断される割合が高い傾向にあった。医療対話推進者には医療事故関連の相談や苦情・クレーム等の対応,職...

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Published in日本医療・病院管理学会誌 Vol. 54; no. 3; pp. 171 - 178
Main Authors 斉藤, 奈緒美, 石川, 雅彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療・病院管理学会 01.07.2017
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ISSN1882-594X
2185-422X
DOI10.11303/jsha.54.171

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Summary:平成24年の診療報酬改定で患者サポート体制充実加算が新設され,医療機関では医療対話推進者の配置が検討されてきた。今回,医療対話推進者の配置,患者・家族支援体制の状況等に関して調査し,医療対話推進者に期待される役割と患者・家族支援体制の今後の展望を検討した。対象は医療安全対策加算1,2を申請している医療機関(3,479施設)とした。医療機関976施設から回答が得られた(回収率28.1%)。医療対話推進者配置の効果は,「患者・家族からの相談への適切な対応」「スムーズな各部門間の連携・調整」等が効果的と判断される割合が高い傾向にあった。医療対話推進者には医療事故関連の相談や苦情・クレーム等の対応,職員教育等が期待され,継続的なスキルアップの取り組みが望まれる。患者・家族支援体制をより効果的・効率的に整備するためには,医療安全管理者との有機的連動を基に,医療機関全体での組織的取り組みが求められる。
ISSN:1882-594X
2185-422X
DOI:10.11303/jsha.54.171