園芸作物の硝酸塩蓄積に関する研究(第15報) ほ場栽培におけるトマト果実の硝酸塩蓄積におよぼす肥培その他栽培条件の影響

ほ場栽培トマト果実のNO3-N含量におよぼす肥培その他栽培条件の影響を検討するとともにそのNO3-N含量を低下させうる栽培法を検討した. 1. 窒素少施肥, 堆厩肥施肥, 緩効性窒素肥料の分施, 硝化抑制剤入り窒素肥料の分施で土壌および果実のNO3-N含量は標準区に比べて低い傾向にあつた. 消石灰多肥で果実のNO3-N含量はかなりの程度低下した. 2. 冬季間湛水し, 初春に排水, 乾燥, 耕起したほ場およびクロールピクリン消毒したほ場は無処理ほ場に比べて土壌および果実のNO3-N含量がかなり低く, 湛水処理により元来土壌に存在するNO3-Nが透水とともに流亡すること, クロールピクリン消毒土...

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Published in園芸学会雑誌 Vol. 44; no. 3; pp. 313 - 320
Main Authors 国里, 進三, 宮崎, 正則
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 園芸学会 1975
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ISSN0013-7626
1880-358X
DOI10.2503/jjshs.44.313

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Summary:ほ場栽培トマト果実のNO3-N含量におよぼす肥培その他栽培条件の影響を検討するとともにそのNO3-N含量を低下させうる栽培法を検討した. 1. 窒素少施肥, 堆厩肥施肥, 緩効性窒素肥料の分施, 硝化抑制剤入り窒素肥料の分施で土壌および果実のNO3-N含量は標準区に比べて低い傾向にあつた. 消石灰多肥で果実のNO3-N含量はかなりの程度低下した. 2. 冬季間湛水し, 初春に排水, 乾燥, 耕起したほ場およびクロールピクリン消毒したほ場は無処理ほ場に比べて土壌および果実のNO3-N含量がかなり低く, 湛水処理により元来土壌に存在するNO3-Nが透水とともに流亡すること, クロールピクリン消毒土壌では硝化作用が抑制されることを認めた. 3. 冬季間湛水したほ場あるいはクロールピクリン消毒したほ場に緩効性窒素肥料あるいは硝化抑制剤入り窒素肥料を分施し, 消石灰を多肥し, かつ硝酸塩低蓄積性品種を栽培すると, 果実のNO3-N含量は収穫の全期間をとおして3ppm以下となり, 果実収量は低下しなかつた.
ISSN:0013-7626
1880-358X
DOI:10.2503/jjshs.44.313