横行結腸リンパ管腫の1例 大腸リンパ管腫本邦報告例の文献的考察

消化管ことに大腸に発生したリンパ管腫は稀で, 本邦における報告も46例にすぎない.今回横行結腸に発生したリンパ管腫を経験したので, 本症例を含め本邦報告集計47例について若干の検討を加えて報告する.症例は30歳, 女性で, 下腹部痛を主訴として来院した.入院後諸検査にて横行結腸に発生したリンパ管腫と診断し, 部分切除を施行した.摘出腫瘍は, 3.3×2.4cmのリンパ管腫であった.最近では内視鏡的にポリペクトミーを施行し成功した報告もあり, 今回の検討でその適応は最大径が2cm以下と考えられた.しかし, 2cm以上でも内容の吸引で腫瘍の縮小傾向がみられるものは積極的に内視鏡的ポリペクトミーを試...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 42; no. 3; pp. 399 - 405
Main Authors 桑原, 利章, 渡辺, 聖, 船橋, 公彦, 柳田, 謙蔵, 吉雄, 敏文, 辻本, 志朗, 小林, 一雄
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本大腸肛門病学会 25.05.1989
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.42.399

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Summary:消化管ことに大腸に発生したリンパ管腫は稀で, 本邦における報告も46例にすぎない.今回横行結腸に発生したリンパ管腫を経験したので, 本症例を含め本邦報告集計47例について若干の検討を加えて報告する.症例は30歳, 女性で, 下腹部痛を主訴として来院した.入院後諸検査にて横行結腸に発生したリンパ管腫と診断し, 部分切除を施行した.摘出腫瘍は, 3.3×2.4cmのリンパ管腫であった.最近では内視鏡的にポリペクトミーを施行し成功した報告もあり, 今回の検討でその適応は最大径が2cm以下と考えられた.しかし, 2cm以上でも内容の吸引で腫瘍の縮小傾向がみられるものは積極的に内視鏡的ポリペクトミーを試みるべきと思われた.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.42.399