血液透析患者に合併した心房細動に対するカテーテルアブレーション 有効性と安全性

背景:慢性腎不全に対する血液透析 (HD) 施行症例には心房細動 (AF) の合併率が高いが,抗不整脈薬の使用は困難な場合が多い.そこで,著者らは HD 症例に合併した AF に対するカテーテルアブレーションの有効性と問題点につき検討した.対象:AF を合併した HD 6 症例と非 HD 症例の AF 12症例を対照とし,カテーテルアブレーションを施行し,その成績及び合併症を検討した.結果:AF 再発率は HD 症では 33.3%,非 HD 症例は41.7%と有意差を認めなかった ( p = 0.3904).一方,アブレーションに伴う合併症は HD 症例で 4 症例(穿刺部の血腫 2 症例,仮...

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Published in日大医学雑誌 Vol. 78; no. 1; pp. 27 - 32
Main Authors 園田, 和正, 渡辺, 一郎, 古川, 力丈, 若松, 雄二, 國本, 聡, 大久保, 公恵, 黒川, 早矢香, 永嶋, 孝一, 渡邉, 隆太, 平山, 篤志, 磯, 一貴, 奥村, 恭男, 高橋, 啓子, 新井, 将, 中井, 俊子, 戸坂, 俊雅
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大学医学会 01.02.2019
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ISSN0029-0424
1884-0779
DOI10.4264/numa.78.1_27

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Summary:背景:慢性腎不全に対する血液透析 (HD) 施行症例には心房細動 (AF) の合併率が高いが,抗不整脈薬の使用は困難な場合が多い.そこで,著者らは HD 症例に合併した AF に対するカテーテルアブレーションの有効性と問題点につき検討した.対象:AF を合併した HD 6 症例と非 HD 症例の AF 12症例を対照とし,カテーテルアブレーションを施行し,その成績及び合併症を検討した.結果:AF 再発率は HD 症では 33.3%,非 HD 症例は41.7%と有意差を認めなかった ( p = 0.3904).一方,アブレーションに伴う合併症は HD 症例で 4 症例(穿刺部の血腫 2 症例,仮性動脈瘤 1 症例,輸血を施行した大量の鼻出血 1 症例)見られたのに対し,非 HD 症例では見られなかった ( p = 0.0197).結語:HD 症例に合併する心房細動に対するカテーテルアブレーション治療は非 HD 症例同様に有効な治療手段であるが,血管合併症には留意する必要が有る.
ISSN:0029-0424
1884-0779
DOI:10.4264/numa.78.1_27