大腸癌肝転移に関する臨床病理学的検討 判別的数量化理論による分析
大腸癌肝転移に関与する重要な因子を明らかにし,肝転移再発の有無を判別するために数量化理論II類による判別分析を行った.対象は肝転移例194例(同時性107例,異時性87例)と5年以上無再発進行癌261例で,従来よりよく用いられている臨床病理学的所見に浸潤増殖形式(INF)を加えて検討した.肝転移の有無,肝転移再発の有無に関連する因子としてはリンパ節転移(n)と壁深達度が重要であり,最も関与が大きいと考えられたのはnであった.また, INFも肝転移再発の有無の判別に有用な因子の一つと考えられた.関与が少ないと考えられた2因子を除いた9因子によるDukes B, C症例での解析では, cur A術...
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| Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 59; no. 12; pp. 2986 - 2993 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床外科学会
25.12.1998
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| Subjects | |
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| ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI | 10.3919/jjsa.59.2986 |
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| Summary: | 大腸癌肝転移に関与する重要な因子を明らかにし,肝転移再発の有無を判別するために数量化理論II類による判別分析を行った.対象は肝転移例194例(同時性107例,異時性87例)と5年以上無再発進行癌261例で,従来よりよく用いられている臨床病理学的所見に浸潤増殖形式(INF)を加えて検討した.肝転移の有無,肝転移再発の有無に関連する因子としてはリンパ節転移(n)と壁深達度が重要であり,最も関与が大きいと考えられたのはnであった.また, INFも肝転移再発の有無の判別に有用な因子の一つと考えられた.関与が少ないと考えられた2因子を除いた9因子によるDukes B, C症例での解析では, cur A術後肝転移再発の有無の判別的中率は75.2%であった.多くの施設で利用できる因子のみでも,数量化理論II類による判別分析により肝転移再発の有無の良好な判別が可能であり,肝転移再発高危険群の選別に有用であると考えられた. |
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI: | 10.3919/jjsa.59.2986 |