遺伝子組換えコムギ検知に有用な普通コムギおよびデュラムコムギの内在性遺伝子

遺伝子組換えコムギ検知法への適用を目指し,コムギの内在性遺伝子候補としてプロリンリッチプロテイン(PRP)遺伝子の評価を行った.リアルタイムPCRにおいて,PRP遺伝子は普通コムギとデュラムコムギでのみ増幅が得られ,他の10作物では増幅産物が得られなかった.コムギの銘柄・品種間の比較では,増幅産物の大きさ,強度,Ct値がほぼ同等で,非特異的な増幅産物も見られなかったことから,コムギ間に反応性の差はないと考えられた.PRP遺伝子のコピー数は,1ハプロイドあたり1もしくは2コピーであり,検出限界は5ハプロイドゲノムコピーであった.以上,PRP遺伝子はPCRを利用した遺伝子組換えコムギ検知に有用な内...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in食品衛生学雑誌 Vol. 53; no. 5; pp. 203 - 210
Main Authors 菊池, 洋介, 荒見, 真一郎, 古井, 聡, 西辻, 泰之, 原口, 浩幸, 田中, 啓子, 栗本, 洋一, 橘田, 和美, 松岡, 靖幸, 真野, 潤一, 今井, 伸二郎, 佐藤, 恵美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.10.2012
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.53.203

Cover

More Information
Summary:遺伝子組換えコムギ検知法への適用を目指し,コムギの内在性遺伝子候補としてプロリンリッチプロテイン(PRP)遺伝子の評価を行った.リアルタイムPCRにおいて,PRP遺伝子は普通コムギとデュラムコムギでのみ増幅が得られ,他の10作物では増幅産物が得られなかった.コムギの銘柄・品種間の比較では,増幅産物の大きさ,強度,Ct値がほぼ同等で,非特異的な増幅産物も見られなかったことから,コムギ間に反応性の差はないと考えられた.PRP遺伝子のコピー数は,1ハプロイドあたり1もしくは2コピーであり,検出限界は5ハプロイドゲノムコピーであった.以上,PRP遺伝子はPCRを利用した遺伝子組換えコムギ検知に有用な内在性遺伝子として利用可能と判断された.
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.53.203