口腔外科領域感染症における検査試料の品質, 臨床的重症度と原因菌検出率との関連性について

口腔感染症からの原因菌の検索は閉塞膿瘍から穿刺吸引により常在細菌の汚染を避けながら採取した試料を用いて検討を行っている。口腔は常在菌の汚染を受けやすい環境にあり, 採取した試料の品質は原因菌の検出に影響すると考えられる。今回, 検査材料の基準を新鮮度および品質度をもとに作成し, 臨床症状とあわせて検討を行った。細菌学的に感染症状が明らかな検体すなわち菌量も多くさらに貪食像も観察された検体は原因菌の検出率も高かった。これらの検体からは, 特に嫌気性菌の検出率が高かった。重症度と検出菌の関連性では, 重症な症例ほど嫌気性菌の検出率が高かった。これらの結果から今回定めた品質基準と臨床症状は関連が深く...

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Published in日本化学療法学会雑誌 Vol. 45; no. 12; pp. 982 - 986
Main Authors 山根, 伸夫, 小林, 寅哲, 佐々木, 次郎, 松崎, 薫, 椎木, 一雄, 金子, 明寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 25.12.1997
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ISSN1340-7007
1884-5886
DOI10.11250/chemotherapy1995.45.982

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Summary:口腔感染症からの原因菌の検索は閉塞膿瘍から穿刺吸引により常在細菌の汚染を避けながら採取した試料を用いて検討を行っている。口腔は常在菌の汚染を受けやすい環境にあり, 採取した試料の品質は原因菌の検出に影響すると考えられる。今回, 検査材料の基準を新鮮度および品質度をもとに作成し, 臨床症状とあわせて検討を行った。細菌学的に感染症状が明らかな検体すなわち菌量も多くさらに貪食像も観察された検体は原因菌の検出率も高かった。これらの検体からは, 特に嫌気性菌の検出率が高かった。重症度と検出菌の関連性では, 重症な症例ほど嫌気性菌の検出率が高かった。これらの結果から今回定めた品質基準と臨床症状は関連が深く診断的意義が高いと思われた。
ISSN:1340-7007
1884-5886
DOI:10.11250/chemotherapy1995.45.982