新生児における各種抗菌薬の蛋白結合率

新生児領域で最も一般的に使われている抗菌薬の蛋白結合率に及ぼすアルブミン最の影響, 新生児の在胎週数別, 出生体重との相関について検討した結果, ampicillin (ABPC) の蛋白結合率は, アルブミン量に相関せず傾向として成人のそれに比較してやや高値上示した。しかし, 他の6薬剤 (cefotaxime (CTX), flomoxef (FMOX), ceftazidime (CAZ), cefozopran (CZOP), ceftriaxone (CTRX), aztreonam (AZT)) では成人 (参考文献比較) に比較して同等もしくは低値であった. また, 在胎週数によ...

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Published in日本化学療法学会雑誌 Vol. 52; no. 10; pp. 568 - 573
Main Authors 佐藤, 吉壮, 山藤, 満, 秋田, 博伸, 岩田, 敏, 砂川, 慶介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 25.10.2004
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ISSN1340-7007
1884-5886
DOI10.11250/chemotherapy1995.52.568

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Summary:新生児領域で最も一般的に使われている抗菌薬の蛋白結合率に及ぼすアルブミン最の影響, 新生児の在胎週数別, 出生体重との相関について検討した結果, ampicillin (ABPC) の蛋白結合率は, アルブミン量に相関せず傾向として成人のそれに比較してやや高値上示した。しかし, 他の6薬剤 (cefotaxime (CTX), flomoxef (FMOX), ceftazidime (CAZ), cefozopran (CZOP), ceftriaxone (CTRX), aztreonam (AZT)) では成人 (参考文献比較) に比較して同等もしくは低値であった. また, 在胎週数による蛋白結合率上37週未満と37週以上で検討した結果, CTXは37週未満19.7%, 37週以上30.2%と有意に37週未満において蛋白結合率が低かったが, 他の6薬剤では顕著な差上認めなかった。また, 出生体重2,500g未満の群と2,500g以上の群の間で蛋白結合率上比較した結果, CZOPでは2, 500g未満で蛋白結合率が有位に高かったが, 他の6薬剤では両群問に顕著な差上認めなかった。しかしながら, 在胎週数および出生体重別では早産児 (在胎週37週未満), 低出生体重児 (出生体重2,500g未満) において成人と比較して総じて蛋白結合率は低値上示す傾向が認められた。 今回検討した薬物の体内動態パラメータ値から, 血漿中薬物遊離形分率の上昇はこれら抗菌薬の有効性, 安全性には有意な影響上与えるものではないことが推定された。
ISSN:1340-7007
1884-5886
DOI:10.11250/chemotherapy1995.52.568