銅・亜鉛還元カラムを用いる水中の硝酸イオン及び全窒素の吸光光度定量

試料液をpH 10~11及びEDTA 0.01Mとなるように調整した後,銅・亜鉛カラムに通し(2ml/min),硝酸イオンをアンモニアまで還元した.生成したアンモニアはインドフェノール青吸光光度法により定量した。本法は,試料中にEDTAを共存させることにより,カラム内通過時における調整試料液中の亜鉛イオンを減少させ,カラムによるアンモニアまでの還元を完全としている.EDTAの濃度が高くなるとインドフェノール青の発色に負の影響が見られたが,0.01Mの共存では,1~10mgN/lの濃度範囲で硝酸イオン還元による検量線とアンモニウム塩による検量線は1%以内で一致した.硝酸イオン(2.0 mgN/l...

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Published in分析化学 Vol. 46; no. 4; pp. 271 - 274
Main Authors 釜谷, 美則, 上田, 浩太郎, 長島, 珍男, 並木, 博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.04.1997
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.46.271

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Summary:試料液をpH 10~11及びEDTA 0.01Mとなるように調整した後,銅・亜鉛カラムに通し(2ml/min),硝酸イオンをアンモニアまで還元した.生成したアンモニアはインドフェノール青吸光光度法により定量した。本法は,試料中にEDTAを共存させることにより,カラム内通過時における調整試料液中の亜鉛イオンを減少させ,カラムによるアンモニアまでの還元を完全としている.EDTAの濃度が高くなるとインドフェノール青の発色に負の影響が見られたが,0.01Mの共存では,1~10mgN/lの濃度範囲で硝酸イオン還元による検量線とアンモニウム塩による検量線は1%以内で一致した.硝酸イオン(2.0 mgN/l)の測定値の標準偏差パーセントは0.91%であった.又,ペルオキソ二硫酸カリウム酸化法を用いて,実海水中の全窒素を硝酸イオンに変換後,本法により測定し,海水中の共存物質の影響のないことが分かった.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.46.271