高純度水中の微量金属の濃縮定量

高純度水中の金属元素を定量するための前処理法を考案した.試料50~100cm3をポリカーボネート製の三角フラスコ(250cm3)に採り,沸点約120℃の水-エチレングリコール(1:1)浴に浸けた.三角フラスコ内の温度は90~95℃に保たれ,非沸騰状態で蒸発濃縮を行うことができた.循環ポンプにより蒸気を氷浴中の受け器に導き,系内を密閉すると同時に濃縮時間を短縮した.これにより約2時間で試料100cm3を濃縮乾燥することができた.濃縮後,約0.5~1cm3の水又は希硝酸に溶解後,黒鉛炉原子吸光法で定量した.この方法を高純度水に適用したところ,数ng/dm3レベルのナトリウム,カリウム,マグネシウム...

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Published in分析化学 Vol. 46; no. 8; pp. 669 - 675
Main Authors 並木, 博, 渡辺, 昌之, 中村, 栄子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.08.1997
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.46.669

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Summary:高純度水中の金属元素を定量するための前処理法を考案した.試料50~100cm3をポリカーボネート製の三角フラスコ(250cm3)に採り,沸点約120℃の水-エチレングリコール(1:1)浴に浸けた.三角フラスコ内の温度は90~95℃に保たれ,非沸騰状態で蒸発濃縮を行うことができた.循環ポンプにより蒸気を氷浴中の受け器に導き,系内を密閉すると同時に濃縮時間を短縮した.これにより約2時間で試料100cm3を濃縮乾燥することができた.濃縮後,約0.5~1cm3の水又は希硝酸に溶解後,黒鉛炉原子吸光法で定量した.この方法を高純度水に適用したところ,数ng/dm3レベルのナトリウム,カリウム,マグネシウム,亜鉛などの金属元素が良好に定量できた.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.46.669