脳梗塞に対するd3D-CTA(dynamic 3D-CTA)の臨床応用の可能性

われわれが開発した血流動態と血管の形態の情報が得られるd3D-CTA(dynamic 3D-CTA)が脳梗塞例に対して応用可能か否かについて検討した. ラクナ梗塞17例, 心原性脳塞栓症14例, アテローム血栓性脳梗塞10例の計41例を対象とした. d3D-CTAは64列のmultidetector row CT scannerを用い, 造影剤を毎秒6ml, 合計30mlをbolusで注入し, scan delay 5秒でダイナミックスキャンを30秒間行った. 全例でd3D-CTAによって血管の閉塞あるいは狭窄の有無の診断に加えて三次元画像での血流動態とfunctional mapにより脳循環...

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Published in脳卒中 Vol. 30; no. 1; pp. 24 - 32
Main Authors 松本正人, 粕谷泰道, 宗像良二, 村松広行, 市川 剛, 堀内一臣, 佐藤 拓, 遠藤雄司, 佐久間 潤, 鈴木恭一, 佐々木達也, 児玉南海雄, 遠藤勝洋, 佐藤直樹, 太田 守, 渡辺道治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳卒中学会 25.01.2008
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ISSN0912-0726

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Summary:われわれが開発した血流動態と血管の形態の情報が得られるd3D-CTA(dynamic 3D-CTA)が脳梗塞例に対して応用可能か否かについて検討した. ラクナ梗塞17例, 心原性脳塞栓症14例, アテローム血栓性脳梗塞10例の計41例を対象とした. d3D-CTAは64列のmultidetector row CT scannerを用い, 造影剤を毎秒6ml, 合計30mlをbolusで注入し, scan delay 5秒でダイナミックスキャンを30秒間行った. 全例でd3D-CTAによって血管の閉塞あるいは狭窄の有無の診断に加えて三次元画像での血流動態とfunctional mapにより脳循環についての情報が得られた. d3D-CTAは撮像範囲に制限があることや放射線被曝の問題があるが, 一回のスキャンで血管の形態異常の有無, 血流動態さらに脳循環の情報が得られ, 脳梗塞の診断, 治療に応用できる可能性が示唆された.
ISSN:0912-0726