細菌性肺炎に対するprulifloxacinとofloxacinの二重盲検比較試験

新規キノロン系抗菌薬pnlinoxacin (PUFx, NM441) の細菌性肺炎に対する有効性, 安全性および有用性を客観的に評価する目的で, ofloxacin (OFFLX) を対照薬として二重盲検群間比較試験を実施した。PUFXは1回300mg1日2回, OFLXは1回200mg1日3回, いずれも14日間連H経口投与を原則とした。得られた成績は以下のとおりであった。 1) 検討対象症例数は201例でPUFX群106例, OFILX群95例であった。有効性の解析対象症例は, PUPFX群85例, OFLX群71例で, 両薬剤群間の背景因子に偏りはみられなかった。 2) 臨床効果は,...

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Published in日本化学療法学会雑誌 Vol. 45; no. 5; pp. 271 - 293
Main Author 小林, 宏行他
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 25.05.1997
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ISSN1340-7007
1884-5886
DOI10.11250/chemotherapy1995.45.271

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Summary:新規キノロン系抗菌薬pnlinoxacin (PUFx, NM441) の細菌性肺炎に対する有効性, 安全性および有用性を客観的に評価する目的で, ofloxacin (OFFLX) を対照薬として二重盲検群間比較試験を実施した。PUFXは1回300mg1日2回, OFLXは1回200mg1日3回, いずれも14日間連H経口投与を原則とした。得られた成績は以下のとおりであった。 1) 検討対象症例数は201例でPUFX群106例, OFILX群95例であった。有効性の解析対象症例は, PUPFX群85例, OFLX群71例で, 両薬剤群間の背景因子に偏りはみられなかった。 2) 臨床効果は, PUFX群96.5%(82/85), OFLX群93.0%(66/71) の有効率であり, 両薬剤群間の有意差はみられなかった。同等性検定 (△=10%) の結果, 両薬剤群の有効率は同等であることが確認された。 3) 細菌学的効果は, PUFX群90.3%(28/31), OFLX群95.2%(20/21) の菌陰性化率であり, 両薬剤群間に有意差はみられなかった。 4) 副作用発現率はPUFX群2.1%(2/97), OFLX群3.3%(3/90) で, 両薬剤群閥に有意差はみられなかった。PUFX群でみられた症状は発熱1例, 嘔気・嘔吐1例でいずれも中等度であった。 5) 臨床検査値異常変動の発現率はPUFX群16.0%(15/94), OFLX群16.1%(14/87) で, 両薬剤群閥に有意差はみられなかった。主なものは好酸球増多とトランスアミナーゼの軽度上昇であった。 6) 概括安全度で「安全である」と評価された症例の割合はPUFX群82.5%(80/97), OFLX群82.2%(74/90) で, 両薬剤群問に有意差はみられなかった。 7) 有用性 (「有用」以上の割合) は, PUFX群94.2%(81/86), OFLX群89.0%(65/73) であり, 両薬剤群問に有意差はみられなかった。 以上の成績より, 細菌性肺炎に対してPUFX1回300mg1日2回投与はOFLX1回200mg1日3回投与と同等の有効率が示され, 副作用および臨床検査値異常変動の発現率にも差はなく, 細菌性肺炎に対して臨床的に高い有用性が期待される薬剤と考えられた。
ISSN:1340-7007
1884-5886
DOI:10.11250/chemotherapy1995.45.271