Hypereosinophilic syndromeの1例

56歳, 男性に発症したhypereosinophilic syndrome (以下HES) の1例を報告した。初診の約1カ月前より躯幹と四肢に掻痒の強い丘疹が多発していた。米粒大-小豆大の充実性の丘疹で, 一部では頂点に血痂を形成していた。組織学的に真皮上-中層では血管周囲に, 真皮下層ではびまん性に好酸球とリンパ球浸潤がみられた。末梢血中で白血球14, 500/mm3, 好酸球54%であり, 著明に好酸球が増加していた。リンパ節, 骨髄でも好酸球が増加していた。他の臓器症状はなく, 皮疹を主症状としたHESと診断し, ステロイド内服を行ったところ, 皮疹は軽快し, 好酸球数も正常域に復した...

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Published in皮膚 Vol. 29; no. 5; pp. 817 - 823
Main Authors 清島, 真理子, 清水, 勝, 大谷, 道廣, 太田, 孝, 瀬古, 章
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本皮膚科学会大阪地方会 1987
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ISSN0018-1390
1884-541X
DOI10.11340/skinresearch1959.29.817

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Summary:56歳, 男性に発症したhypereosinophilic syndrome (以下HES) の1例を報告した。初診の約1カ月前より躯幹と四肢に掻痒の強い丘疹が多発していた。米粒大-小豆大の充実性の丘疹で, 一部では頂点に血痂を形成していた。組織学的に真皮上-中層では血管周囲に, 真皮下層ではびまん性に好酸球とリンパ球浸潤がみられた。末梢血中で白血球14, 500/mm3, 好酸球54%であり, 著明に好酸球が増加していた。リンパ節, 骨髄でも好酸球が増加していた。他の臓器症状はなく, 皮疹を主症状としたHESと診断し, ステロイド内服を行ったところ, 皮疹は軽快し, 好酸球数も正常域に復したが, 約2年経過した現在もプレドニン20mg/日内服中である。
ISSN:0018-1390
1884-541X
DOI:10.11340/skinresearch1959.29.817