Arbekacinの新生児母集団パラメータ解析に基づいた初期投与法の再評価
小児添付文書用量 (2~3mg/kg×2/24hr) に基づいてarbekacin sulfate (ABK) が投与された新生児41例 (小児添付文書投与量群) を対象とし, 非線形薬物動態解析プログラム (Nonlinear Mixed Effects Model; NONMEM) により母集団薬物動態パラメータを算出した。さらにそのパラメータに基づき新生児におけるABK初期投与法を設定し, レトロスペクティブな血中濃度の調査により投与法の再評価を行った。ABK初期投与法はABKのピーク値が7mg/L以上, トラフ値が2mg/L以下となるように投与量・投与間隔を設定した。クリアランス (C...
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| Published in | 日本化学療法学会雑誌 Vol. 54; no. 6; pp. 520 - 525 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
10.11.2006
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1340-7007 1884-5886 |
| DOI | 10.11250/chemotherapy1995.54.520 |
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| Summary: | 小児添付文書用量 (2~3mg/kg×2/24hr) に基づいてarbekacin sulfate (ABK) が投与された新生児41例 (小児添付文書投与量群) を対象とし, 非線形薬物動態解析プログラム (Nonlinear Mixed Effects Model; NONMEM) により母集団薬物動態パラメータを算出した。さらにそのパラメータに基づき新生児におけるABK初期投与法を設定し, レトロスペクティブな血中濃度の調査により投与法の再評価を行った。ABK初期投与法はABKのピーク値が7mg/L以上, トラフ値が2mg/L以下となるように投与量・投与間隔を設定した。クリアランス (CLABK) は受胎後週数 (postconceptionat age;PCA) 33週付近を境に急激に変化したため, 初期投与法はPCA33週におけるCLABKの±30%のCLABKを与える28週, 37週を境界とし, 以下の4群に設定した。PCA<28週 (4mg/kg×1/48hr), PCA≧28週. 3<3週 (3mg/kg×1/24hr), PCA≧33週, <37週 (4mg/kg×1/24hr), PCA≧37週 (7mg/kg×1/24hr)。 初期投与法の再評価を行った対象患児は19例 (NONMEM初期投与群) であった。小児添付文書投与量群ではピーク値 (平均±SD, 以下同様); 10.3±5.6 (35~22.2) mg/L. トラフ値: 6.0±4.7 (0.4~17.6) mg/Lと高値を示したが, NONMEM初期投与群ではそれぞれ9.0±22 (5.6~13.3) mg/L. 1.6±0.8 (0.4~3.2) mg/Lと血中濃度は良好にコントロールされた。 新生児では1日2回投与によってトラフ値の上昇が認められ, 24~48時間間隔投与の本初期投与法の有用性が示された。 |
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| ISSN: | 1340-7007 1884-5886 |
| DOI: | 10.11250/chemotherapy1995.54.520 |