肺炎に対するazithromycinの用量設定試験
新規経口用マクロライド系抗生物質azithromycin (AZM) の肺炎に対する臨床至適用量を検討する目的で, AZMの2用量による比較試験を二重盲検法にて実施した。投与方法はAZM1回250mg (L群) または500mg (H群) を1日1回食後, 3日間投与し, 以下の成績を得た。 1) 臨床効果: 有効率はL群95.8%(23例/24例), H群96.4%(27例/28例) であった。一方, 「著効」の割合はL群25.0%(6例/24例), H群46. 4%(13例/28例) であり, 有意差はないもののH群はL群の約2倍の著効率を示した。 2) 細菌学的効果: 細菌の消失率はL群...
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          | Published in | 日本化学療法学会雑誌 Vol. 43; no. 8; pp. 746 - 756 | 
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| Main Author | |
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            公益社団法人 日本化学療法学会
    
        25.08.1995
     | 
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| ISSN | 1340-7007 1884-5886  | 
| DOI | 10.11250/chemotherapy1995.43.746 | 
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| Summary: | 新規経口用マクロライド系抗生物質azithromycin (AZM) の肺炎に対する臨床至適用量を検討する目的で, AZMの2用量による比較試験を二重盲検法にて実施した。投与方法はAZM1回250mg (L群) または500mg (H群) を1日1回食後, 3日間投与し, 以下の成績を得た。 1) 臨床効果: 有効率はL群95.8%(23例/24例), H群96.4%(27例/28例) であった。一方, 「著効」の割合はL群25.0%(6例/24例), H群46. 4%(13例/28例) であり, 有意差はないもののH群はL群の約2倍の著効率を示した。 2) 細菌学的効果: 細菌の消失率はL群92.3%(12例/13例), H群85.7%(6例/7例) であった。 3) 副作用1発現率はL群6.9%(2例/29例) であり, 2例とも軽度または中等度のアレルギー症状であった。また, H群では副作用は認められなかった。 4) 臨床検査値の異常変動: 発現率はL群34.5%(10例/29例), H群3.2%(1例/31例) であり, いずれも軽度なものであった。 5) 有用性: 有用性はL群91.7%(22例/24例), H群96.4%(27例/28例) であり, このうち「きわめて有用」の割合はL群12.5%(3例/24例) に対してH群42.9%(12例/28例) であった。H群の方が有意に高い有用性を示した (p=0.020)。 以上のように, H群の方が有意差はないものの高い著効率を示し, 用量依存性の副作用, 臨床検査値異常が検出できなかったことから, 肺炎に対するAZMの臨床用量は, 1日1回500mg投与が至適用量と考えられた。 | 
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| ISSN: | 1340-7007 1884-5886  | 
| DOI: | 10.11250/chemotherapy1995.43.746 |