慢性気道感染症に対するgrepafloxacinの用量比較試験

ニューキノロン系合成抗菌薬grepafloxacin (GPFX, OPC-17116) の呼吸器感染症に対する至適用量を検討する目的で, 慢性気道感染症を対象にofloxacin (OFLX) を対照薬として用量比較試験を実施した。投与薬剤群は, GPFX200mg×1回1B投与群 (L群) および300mg×1回1日投与群 (H群) を二重盲検法にて比較検討し, OFLX200mg×3回1日投与群 (O群) を非盲検下の対照薬とした。なお, 投与期間は14日間を原則とした。総症例127例中, 臨床効果の解析対象例数は121例 (L群37例, H群41例, O群43例) であった。 1) 臨...

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Published in日本化学療法学会雑誌 Vol. 45; no. 6; pp. 425 - 441
Main Author 小林, 宏行他
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 25.06.1997
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ISSN1340-7007
1884-5886
DOI10.11250/chemotherapy1995.45.425

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Summary:ニューキノロン系合成抗菌薬grepafloxacin (GPFX, OPC-17116) の呼吸器感染症に対する至適用量を検討する目的で, 慢性気道感染症を対象にofloxacin (OFLX) を対照薬として用量比較試験を実施した。投与薬剤群は, GPFX200mg×1回1B投与群 (L群) および300mg×1回1日投与群 (H群) を二重盲検法にて比較検討し, OFLX200mg×3回1日投与群 (O群) を非盲検下の対照薬とした。なお, 投与期間は14日間を原則とした。総症例127例中, 臨床効果の解析対象例数は121例 (L群37例, H群41例, O群43例) であった。 1) 臨床効果: 有効率は, L群89.2%(33137), H群97.6%(40/41) およびO群88.4%(38/43) であり, 3群間に有意差は認められなかった。 2) 細菌学的効果: 菌消失率は, L群75.0%(15/20), H群93.3%(14/15) およぴO群85.7%(18/21) であり, 3群陶に有意差は認められなかった。 3) 安全哲: 副作用の発現率は, L群2.6%(1/39), H群7.3%(3/41) およびO群9.1%(4/44), 臨床検査植異常の発現率は, それぞれ5.1%(2/39), 5.1%(2/39) および49%(2/41) であり, いずれも3群間に有意差は認められなかつた。 4) 有用性有用率は, L群86.5%(32/37), H群94.9%(37/39) および0群854%(35/41) であり, 3群間に有意差は認められなかった。以上の成績から, 慢性気道感染症に対するGPFXの臨床的有用性が確認され, 呼吸器感染症に対するGPFXの至適用量は, 1回300mg1日1回投与が妥当と考えられた。
ISSN:1340-7007
1884-5886
DOI:10.11250/chemotherapy1995.45.425