高齢者に対する足浴は有酸素運動となるか

「要旨」本研究の目的は足浴が膝関節などの運動器に負担をかけない有酸素運動となるか検討することである. 高齢者29名(平均73.2歳)を対象に, 3人1組で開始42℃, 終了時40℃の足浴を30分間行った. 脈拍数, 前額部および両下肢皮膚温の測定, 主観的な運動感の評価を行い, 分析は対応のある一元配置分散分析, Friedman検定を行った. 結果, 脈拍数の増加が認められたが, 40%の運動強度となる脈拍数になった者はいなかった. 前額部皮膚温は足浴による影響の傾向がみられ(P=0.058), 下肢皮膚温は影響が認められた(P<0.000). 主観的評価では「運動した感じ」, 「身体...

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Published in武庫川女子大学看護学ジャーナル Vol. 2; pp. 75 - 81
Main Authors 新田紀枝, 本多容子, 片山恵, 田丸朋子, 木村静, 伊部亜希
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 武庫川女子大学看護学部 01.03.2017
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ISSN2424-0303

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Summary:「要旨」本研究の目的は足浴が膝関節などの運動器に負担をかけない有酸素運動となるか検討することである. 高齢者29名(平均73.2歳)を対象に, 3人1組で開始42℃, 終了時40℃の足浴を30分間行った. 脈拍数, 前額部および両下肢皮膚温の測定, 主観的な運動感の評価を行い, 分析は対応のある一元配置分散分析, Friedman検定を行った. 結果, 脈拍数の増加が認められたが, 40%の運動強度となる脈拍数になった者はいなかった. 前額部皮膚温は足浴による影響の傾向がみられ(P=0.058), 下肢皮膚温は影響が認められた(P<0.000). 主観的評価では「運動した感じ」, 「身体が軽くなった感じ」, 「足が軽くなった感じ」の変化に有意差があった(いずれもP<0.000). 足浴が有酸素運動となるかの指標としては, 脈拍数のみではなく, 酸素消費量等の観点からの検討も必要と考えられた.
ISSN:2424-0303