わが国におけるインフルエンザ(H1N1)2009に対する学校閉鎖の効果
「1. はじめに」 学校閉鎖は, 小児における感染症の拡大防止対策として一般的に広く行われる方法である(1-3). 学校組織はインフルエンザ等の感染症を拡大させる温床となるため(4), 学校閉鎖は感染経路対策として利用される. 通常は, インフルエンザの感染拡大予防策はワクチン接種が優先されるが(5), インフルエンザ(H1N1) 2009のパンデミック時にはワクチンを早期に実施することが困難であった. よって, パンデミックの初期には, 非薬物による公衆衛生的対策(Non-Pharmaceutical Intervention:NPI)(6)等に重点が置かれた. 感染拡大初期に積極的な学校閉...
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Published in | 日本衛生学雑誌 Vol. 68; no. 2; pp. 103 - 117 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本衛生学会
01.05.2013
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-5082 |
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Summary: | 「1. はじめに」 学校閉鎖は, 小児における感染症の拡大防止対策として一般的に広く行われる方法である(1-3). 学校組織はインフルエンザ等の感染症を拡大させる温床となるため(4), 学校閉鎖は感染経路対策として利用される. 通常は, インフルエンザの感染拡大予防策はワクチン接種が優先されるが(5), インフルエンザ(H1N1) 2009のパンデミック時にはワクチンを早期に実施することが困難であった. よって, パンデミックの初期には, 非薬物による公衆衛生的対策(Non-Pharmaceutical Intervention:NPI)(6)等に重点が置かれた. 感染拡大初期に積極的な学校閉鎖を行うと, 流行のピークを下降させ, また遅らせることができると考えられ(7,8), わが国でもインフルエンザ(H1N1) 2009パンデミックの初期より学校閉鎖は頻回に実施された(9-11). |
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ISSN: | 0021-5082 |