対人援助職へのマインドフルネストレーニングの効果 文献レビュー

マインドフルネストレーニングは、瞑想を通して今という瞬間に注意を向け、現実をあるがままに知覚していくトレーニングである。海外では多くのRCTによってマインドフルネスストレス低減法による慢性疼痛や不安の軽減、うつの再発予防などの効果が示されている。マインドフルネスは疾患を持つ患者群だけでなく、健常者にも効果が認められており、近年、対人援助職などの労働者のメンタルヘルス対策にも活用され始めている。本説の目的は、対人援助職を対象にマインドフルネストレーニングを実施・評価した研究をレビューし、その効果と効果的な実施方法についての示唆を得ることである。レビューの結果、英文文献13件が抽出された。対象は、...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in医療看護研究 Vol. 8; no. 1; pp. 16 - 23
Main Authors 立石, 彩美, 小谷野, 康子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 学校法人 順天堂大学医療看護学部 2011
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1349-8630
2758-5123
DOI10.60254/jhcn.8.1_16

Cover

More Information
Summary:マインドフルネストレーニングは、瞑想を通して今という瞬間に注意を向け、現実をあるがままに知覚していくトレーニングである。海外では多くのRCTによってマインドフルネスストレス低減法による慢性疼痛や不安の軽減、うつの再発予防などの効果が示されている。マインドフルネスは疾患を持つ患者群だけでなく、健常者にも効果が認められており、近年、対人援助職などの労働者のメンタルヘルス対策にも活用され始めている。本説の目的は、対人援助職を対象にマインドフルネストレーニングを実施・評価した研究をレビューし、その効果と効果的な実施方法についての示唆を得ることである。レビューの結果、英文文献13件が抽出された。対象は、病院やグループホームなどの施設に勤務する医療・福祉スタッフがほとんどであった。マインドフルネストレーニングは、スタッフのバーンアウトやストレスの軽減だけでなく、仕事への満足感や、スタッフとケア対象者との関係を良好にし、ケアの質の改善にも役立っていた。短縮版などの効率的な方法を利用することで、多忙な職場でも実施でき、スタッフだけでなく、ケアを受ける側にも良い効果が期待できる可能性が示唆されている。
ISSN:1349-8630
2758-5123
DOI:10.60254/jhcn.8.1_16