急性期脳血管障害患者に対して看護師が提供する “からだを起こす” 看護ケアの現状 先駆的脳神経外科病院1施設の結果から

本研究の目的は, 急性期脳血管障害患者に対して先駆的脳神経外科病院が行っている “からだを起こす ”看護ケアの内容を抽出することである. 研究方法は, 対象患者10例に対する非構成的参加観察とケアを行った看護師22名への聞き取り調査法で, 収集した内容からケアの共通性を抽出した. その結果,1) からだを起こす看護ケアの現状は, 「看護ケア時に取り入れた関節可動域運動」 「ヘッドアップ30度」 「姿勢を正す体位交換」 から始まり, 「ヘッドアップ45→60→90度」 「看護師介助のベッド上端座位」 と続き, 次に 「リクライニングチェア乗車」 か 「車椅子乗車」, そして 「背面開放座位」 か...

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Published in日本看護技術学会誌 Vol. 4; no. 2; pp. 22 - 31
Main Authors 江口, 隆子, 大久保, 暢子, 品地, 智子, 菱沼, 典子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護技術学会 30.11.2005
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ISSN1349-5429
2423-8511
DOI10.18892/jsnas.4.2_22

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Summary:本研究の目的は, 急性期脳血管障害患者に対して先駆的脳神経外科病院が行っている “からだを起こす ”看護ケアの内容を抽出することである. 研究方法は, 対象患者10例に対する非構成的参加観察とケアを行った看護師22名への聞き取り調査法で, 収集した内容からケアの共通性を抽出した. その結果,1) からだを起こす看護ケアの現状は, 「看護ケア時に取り入れた関節可動域運動」 「ヘッドアップ30度」 「姿勢を正す体位交換」 から始まり, 「ヘッドアップ45→60→90度」 「看護師介助のベッド上端座位」 と続き, 次に 「リクライニングチェア乗車」 か 「車椅子乗車」, そして 「背面開放座位」 か 「看護師介助のつかまり立ち」 へと進むプロセスであった. 2) プロセスは, 経過日数ではなく, 患者の状態を観察, 判断して進んでいた. 3) からだを起こす各ケア前中後の観察, および判断項目には7つの共通項目があった. 今後は, 脳血管障害患者の急性期ケアをプログラム化することが課題である.
ISSN:1349-5429
2423-8511
DOI:10.18892/jsnas.4.2_22