躯幹障害のみられた症例への運動療法

脳卒中片麻痺や運動失調のような中枢神経疾患では, 筋緊張の異常や, 立直り, バランス反応の低下によりさまざまな問題が生じており, 四肢の機能障害(麻痺の重症度, 筋力, 健側機能)ばかりでなく頸, 躯幹機能の障害による影響がみられることを経験する. 坐位保持のみならず, 立ち上がり動作や歩行などのDynamicな動きの中にも, その重要性はみられている. 体幹機能と移動動作などの全身的な運動機能との関連は, 近年とくに注目されており, 片麻痺患者の肩甲帯骨盤の分離運動の低下による姿勢調節の難しさ1)や, 体幹の可動性と歩行などの身体活動能力との有意性2)が示されている. また, 躯幹, 下肢...

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Published inSaitama rigakuryoho Vol. 1; no. 1; pp. 27 - 31
Main Authors 山田美加子, 内山靖, 枡良充, 軍司晃, 佐藤幸恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 埼玉県理学療法士会 1993
Saitama Physical Therapy Association
社団法人 埼玉県理学療法士会
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ISSN0919-9241
1348-0294
DOI10.11350/jspta.1.27

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Summary:脳卒中片麻痺や運動失調のような中枢神経疾患では, 筋緊張の異常や, 立直り, バランス反応の低下によりさまざまな問題が生じており, 四肢の機能障害(麻痺の重症度, 筋力, 健側機能)ばかりでなく頸, 躯幹機能の障害による影響がみられることを経験する. 坐位保持のみならず, 立ち上がり動作や歩行などのDynamicな動きの中にも, その重要性はみられている. 体幹機能と移動動作などの全身的な運動機能との関連は, 近年とくに注目されており, 片麻痺患者の肩甲帯骨盤の分離運動の低下による姿勢調節の難しさ1)や, 体幹の可動性と歩行などの身体活動能力との有意性2)が示されている. また, 躯幹, 下肢機能の協調動作である立ち上がり動作では離殿時の体幹前傾と殿筋活動との関連性3)が報告されている. 今回, 二度の小脳出血を生じ, 運動失調により躯幹障害をみとめた一症例に対する運動療法と経過を中心に検討し, 躯幹及び下肢との協調性に対する運動療法について検討した.
ISSN:0919-9241
1348-0294
DOI:10.11350/jspta.1.27