地域栄養診断のための食物摂取頻度調査票 (短縮版) の開発とその妥当性および再現性の検討

【目的】地域住民の食生活を把握するための食物摂取頻度調査票を開発し, その妥当性と再現性を検討する. 【方法】平成14年国民栄養調査静岡県分データを基に静岡県版食物摂取頻度調査票(以下, 静岡県版調査票という), さらに食物リスト数を絞り込み静岡県版食物摂取頻度調査票短縮版(以下, 短縮版という)を開発した. 短縮版の妥当性は3日間食事記録(2008年6月, 17人)および1日間食事記録(2009年10~11月, 491人)で, 再現性は2回(2009年9~10月, 18人)で, 35(1日間食事記録では34)の栄養素摂取量は対数変換し, 粗値と残差法によるエネルギー調整値のピアソン相関係数を...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 73; no. 5; pp. 182 - 194
Main Authors 赤堀摩弥, 永田順子, 日置朝子, 宇津木志のぶ, 近藤今子, 中村美詠子, 尾島俊之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本栄養改善学会 01.10.2015
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ISSN0021-5147

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Summary:【目的】地域住民の食生活を把握するための食物摂取頻度調査票を開発し, その妥当性と再現性を検討する. 【方法】平成14年国民栄養調査静岡県分データを基に静岡県版食物摂取頻度調査票(以下, 静岡県版調査票という), さらに食物リスト数を絞り込み静岡県版食物摂取頻度調査票短縮版(以下, 短縮版という)を開発した. 短縮版の妥当性は3日間食事記録(2008年6月, 17人)および1日間食事記録(2009年10~11月, 491人)で, 再現性は2回(2009年9~10月, 18人)で, 35(1日間食事記録では34)の栄養素摂取量は対数変換し, 粗値と残差法によるエネルギー調整値のピアソン相関係数を, 17の食品群別摂取量は粗値および1,000 kcal当りのエネルギー調整値のスピアマン相関係数を求め検討した. 【結果】静岡県版調査票は121項目の食物リスト, 5段階(飲料)又は6段階(食品・料理)の摂取頻度, 3段階のポーションサイズ, 短縮版は食物リストが86項目となった. 短縮版と3日間食事記録の間の栄養素の相関係数の中央値は粗値0.51, エネルギー調整値0.26, 1日間食事記録との間ではそれぞれ0.33, 0.35, 食品群では0.24, 0.29であった. 再現性は2回の短縮版間の相関係数の中央値は粗値, エネルギー調整値が栄養素でそれぞれ0.63, 0.76, 食品群で0.66, 0.68であった. 【結論】短縮版は良好な再現性を有し, 3日間と1日間の食事記録調査との比較という限界はあるものの, 栄養素摂取量の推定においてある程度の妥当性を有することを示した.
ISSN:0021-5147