MRIにおける脳槽撮像手法 (MR cisternography) の検討

MRIの脳槽撮像に用いるconstructive interference in steady state (CISS)では, 内耳周辺のアーチファクトが病変に見える場合がある. 頭蓋内病変の既往のない15名を対象に, 3種の水強調画像(CISS, sampling perfection with application optimized contrasts using different flip angle evolution (T2-SPACE), T2)を撮像し, 診断に有用な脳槽撮像手法を検討した. 1.5テスラと3.0テスラのMRI装置にて撮像し, 検討項目はcontrast-n...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 68; no. 1; pp. 52 - 58
Main Authors 島田康佑, 田中真彦, 田口雅士, 山崎郁哉, 春日好雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 31.05.2019
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ISSN0468-2513

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Summary:MRIの脳槽撮像に用いるconstructive interference in steady state (CISS)では, 内耳周辺のアーチファクトが病変に見える場合がある. 頭蓋内病変の既往のない15名を対象に, 3種の水強調画像(CISS, sampling perfection with application optimized contrasts using different flip angle evolution (T2-SPACE), T2)を撮像し, 診断に有用な脳槽撮像手法を検討した. 1.5テスラと3.0テスラのMRI装置にて撮像し, 検討項目はcontrast-noise ratio (CNR), アーチファクトの有無および個数とした. CNRはT2-SPACEとCISSで高値を示した. アーチファクトは1.5テスラでは有意差がなく, 3.0テスラではCISSが有意に多かった. T2-SPACEとCISSは3D撮像のため, 短時間で高コントラストの画像が得られたと考えた. CISSは磁場不均一の影響が大きいため, アーチファクトが多かったと考えた. T2-SPACEとT2は高速スピンエコー法であり位相分散の影響が少ないため, アーチファクトが抑制されたと考えた. 以上から, T2-SPACEは高コントラストかつアーチファクトが少ない画像の撮像が期待でき, 有用と言える.
ISSN:0468-2513