小学校低学年の口唇裂・口蓋裂児の疾患に関連した否定的な体験に対する母親の認識

「要旨」小学校低学年の口唇裂・口蓋裂児の母親が認識している児の学校での疾患に関連した否定的な体験とそれに対する母親の思いを明らかにすることを目的に, 小学校低学年の口唇裂・口蓋裂児の母親13名に半構造化面接調査を行い, 内容分析法にて分析した. 母親は口唇裂・口蓋裂児の否定的な体験として【容姿や行動の違いへの指摘に自分で対応できた】【容姿の違いへの指摘や病気の暴露に苦痛を感じていた】と認識していた. その体験に対して母親は【疾患に関連したからかいは起こるものだ】【疾患に関連したからかいによる子どもの苦痛をわかってあげたい】【子どもが自分でからかいに対応できるようになって欲しい】【子どもに自分の...

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Published in武庫川女子大学看護学ジャーナル Vol. 3; pp. 15 - 24
Main Authors 北尾美香, 熊谷由加里, 高野幸子, 池美保, 古郷幹彦, 植木慎悟, 藤田優一, 藤原千惠子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 武庫川女子大学看護学部 20.03.2018
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ISSN2424-0303

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Summary:「要旨」小学校低学年の口唇裂・口蓋裂児の母親が認識している児の学校での疾患に関連した否定的な体験とそれに対する母親の思いを明らかにすることを目的に, 小学校低学年の口唇裂・口蓋裂児の母親13名に半構造化面接調査を行い, 内容分析法にて分析した. 母親は口唇裂・口蓋裂児の否定的な体験として【容姿や行動の違いへの指摘に自分で対応できた】【容姿の違いへの指摘や病気の暴露に苦痛を感じていた】と認識していた. その体験に対して母親は【疾患に関連したからかいは起こるものだ】【疾患に関連したからかいによる子どもの苦痛をわかってあげたい】【子どもが自分でからかいに対応できるようになって欲しい】【子どもに自分の疾患を前向きに捉えて欲しい】【教師はからかいに適切に対応して欲しい】と思っていることが明らかになった. 医療者は親子と共にからかいへの対処方法を考えると同時に, 教師の疾患への理解を深めるよう支援していく必要がある.
ISSN:2424-0303