ガスクロマトグラフィー-μ electron capture detection(μECD)を用いたトリアゾラム及びミダゾラムの血漿中濃度測定法と薬物動態試験への応用

「緒言」 トリアゾラム及びミダゾラムは短時間作用型のベンゾジアゼピン系薬物である. トリアゾラムは, 主に不眠症の治療薬として使用されている. ミダゾラムは, 麻酔の前投与薬として使用されるほか, 全身麻酔の導入及び維持, 集中治療における人工呼吸中の鎮静にも使用されている. いずれの薬物もチトクロームP-450(CYP)3Aで代謝を受け, 他のCYP分子種による代謝はほとんど受けない. このため, トリアゾラム及びミダゾラムはCYP3A活性をin vivoで評価するためのプローブ薬として, 臨床薬物動態試験で使用されている. 1,2)このような臨床試験では, 薬物の体内動態値を算出するために...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 134; no. 1; pp. 119 - 125
Main Authors 堤喜美子b, 岩男美幸a, 小手川勤a, 今井浩光a, 大橋京一a, 中野重行b
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本薬学会 01.01.2014
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ISSN0031-6903

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Summary:「緒言」 トリアゾラム及びミダゾラムは短時間作用型のベンゾジアゼピン系薬物である. トリアゾラムは, 主に不眠症の治療薬として使用されている. ミダゾラムは, 麻酔の前投与薬として使用されるほか, 全身麻酔の導入及び維持, 集中治療における人工呼吸中の鎮静にも使用されている. いずれの薬物もチトクロームP-450(CYP)3Aで代謝を受け, 他のCYP分子種による代謝はほとんど受けない. このため, トリアゾラム及びミダゾラムはCYP3A活性をin vivoで評価するためのプローブ薬として, 臨床薬物動態試験で使用されている. 1,2)このような臨床試験では, 薬物の体内動態値を算出するために, 被験者から10回程度の採血を行う. さらに, 薬物相互作用試験では併用薬の影響をみるために, クロスオーバー法等の試験デザインで, 同じ被験者に対して複数回の試験を行う. 被験者から採取できる血液量は倫理性, 安全性の観点から限界があるため, 血中薬物濃度の測定法は, より少ない血液量で測定が可能であり, 消失相の薬物濃度が測定できるだけの感度を有することが求められる.
ISSN:0031-6903