臨床現場における薬剤師の役割 (5) 薬剤師外来の現状と今後の課題

「はじめに」日本においては3人に1人が, がんで死亡している. 2017年ではがんによる死亡数は約37万人であり, 日本人の死亡原因の第1位となっている. その一方で, がん医療は進歩し, 支持療法の発展もみられ, 抗がん薬治療はそのほとんどが外来で施行可能となったことで, 外来患者に対するケアの重要性は増している. 2014年度診療報酬改定において「がん患者指導管理料」が新設された. ここでは, がん指導管理の充実を目的とし, 医師, 看護師だけでなく薬剤師の役割も明記されている. これまで入院においては, 薬剤管理指導料や病棟薬剤業務実施加算などが算定可能であったが, 「がん患者指導管理料...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 15; no. 4; pp. 164 - 169
Main Authors 井ノ口岳洋, 輪湖哲也, 伊勢雄也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 01.10.2019
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ISSN1349-8975

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Summary:「はじめに」日本においては3人に1人が, がんで死亡している. 2017年ではがんによる死亡数は約37万人であり, 日本人の死亡原因の第1位となっている. その一方で, がん医療は進歩し, 支持療法の発展もみられ, 抗がん薬治療はそのほとんどが外来で施行可能となったことで, 外来患者に対するケアの重要性は増している. 2014年度診療報酬改定において「がん患者指導管理料」が新設された. ここでは, がん指導管理の充実を目的とし, 医師, 看護師だけでなく薬剤師の役割も明記されている. これまで入院においては, 薬剤管理指導料や病棟薬剤業務実施加算などが算定可能であったが, 「がん患者指導管理料」は, がんの外来診療に携わる薬剤師にとって初めて認められた診療報酬である. 当院では以前から外来のがん患者に対して薬剤指導は行っていたが, 2018年4月より新たに薬剤師外来を開設し, がんに関する専門的知識を有した専門・認定薬剤師による指導をこれまで以上に強化して行っている.
ISSN:1349-8975