独歩可能な地域在住高齢者の日常生活活動の関連要因 ―大規模コホート研究(藤原京スタディ)ベースライン健診結果

「緒言」 身体自立の評価指標としてKatz indexやBarthel indexが良く知られている(1). 食事・着替え・入浴・排泄・移動など, 自立した日常生活を送る上で最低限必要な身の回りに関する日常生活活動(基本的ADL: basic Activities of daily living)の能力を, 介助の必要性とその程度から評価しようとするものである. 高齢者を対象とした疫学研究のアウトカム指標(2)としても用いられてきている. 身体自立度は, 脳血管障害や骨折などを契機に急速に低下する場合を除けば, 加齢とともに次第に低下していく. 従って, 基本的ADLが保たれ, 独歩可能で外出...

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Published in日本衛生学雑誌 Vol. 68; no. 1; pp. 22 - 32
Main Authors 小松雅代, 根津智子, 冨岡公子, 羽崎完, 原納明博, 森川将行, 高木正博, 山田全啓, 松本善孝, 岩本淳子, 石塚理香, 佐伯圭吾, 岡本希, 車谷典男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本衛生学会 01.01.2013
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ISSN0021-5082

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Summary:「緒言」 身体自立の評価指標としてKatz indexやBarthel indexが良く知られている(1). 食事・着替え・入浴・排泄・移動など, 自立した日常生活を送る上で最低限必要な身の回りに関する日常生活活動(基本的ADL: basic Activities of daily living)の能力を, 介助の必要性とその程度から評価しようとするものである. 高齢者を対象とした疫学研究のアウトカム指標(2)としても用いられてきている. 身体自立度は, 脳血管障害や骨折などを契機に急速に低下する場合を除けば, 加齢とともに次第に低下していく. 従って, 基本的ADLが保たれ, 独歩可能で外出もでき, 地域で介助なく日常生活を過ごしている高齢者を対象としたADL評価と, 基本的ADLの低下までには到らない低ADL化の要因検討は, 身体自立度低下への早期介入の手かがりを得るものとして重要な研究課題と考える.
ISSN:0021-5082